スガシュウヘイ

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

4.0
心温まる素敵な映画。

“この日を楽しむために自分は未来から来て、最後だと思って今日を生きている 僕の非凡で 平凡な人生の…”

月並みなセリフかもしれないけど、この映画を見終わると、本当にそうだよなと、心に沁みる。


何気ない「日常」がただ流れていくラストシーンは感動だった。「日常」ってこんなに綺麗なんだな。
日々の中に隠れている小さな感動を再発見していくシーンも素敵だった。

また、中盤の盛り上がりの要になるだろう、結婚式のシーンでまさかのドシャ降りの雨を降らせたリチャード・カーティス監督の手腕にも脱帽だ。
ドシャ降りの雨が、かえって人々の幸福感を際立たせていた。

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最初はタイムリープ系のラブロマンスのつもりで気軽に見ていたが、後半は家族愛や人生愛みたいなより大きくて普遍的なテーマへとシフトしていき見応えがありました。

逆を言うと「タイムリープ」というキーワードから、波乱の展開を期待しすぎると失敗するかもしれない。タイムリープ系といえば、過去に戻ってやり直したつもりが、思わぬ所から余計に大惨事になっていく、という展開が王道だが、本作はそうなっていない。過去に戻って淡々とやり直している。
あくまで本作は「平凡な日常の素晴らしさ」について落ち着いたトーンで描いた作品であり、衝撃や興奮は少なめだ。


公開:2013年
監督:リチャード・カーティス(『ラブ・アクチュアリー』)
出演:ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス