オカルトチャンピオン

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のオカルトチャンピオンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

とても静かな映画だけど、詐欺の1億円当選メールを信じて何が何でも取りに行く親父という設定がコミカルだし、完全にボケてるんじゃないかと心配になる徘徊親父と息子のあたたかいはなし。

ネブラスカって州のことは全然知らなかったけど、ほんとに何もない田舎だなと思える風景と町の人たち、基本誰も能動的じゃないし、野球と車と町の人の噂話があれば生きていけるような姿にあぁこの人たち一生この町でこんな風にして過ごしていくんだなと思わせる描写はさすがだなと思った。
いやーな人たちだけど、そりゃそうでしょ。何もないんだから。

あとは間違いなくこの映画の魅力はお母さんの快活で下品な喋りがとてもキュートでおもしろいところ。墓石にパンティー見せちゃうのなんて可愛らしさの極地だよね。

まぁ嘘の当選メールが実は...なんて話にはならないんだけど、あんなに担ぎ上げて、嘘だって言ってんのに耳貸さなくて、金までせびってきた町の奴らが実際、嘘だってわかった瞬間の逆転して嘲笑に変わるところ。親父も倒れるくらいショックだったし、息子が共同経営者のおっさん殴るのしょうがない。殴り慣れてないから、一発で拳痛めちゃうけど、俺だったらせびってきた金額分は殴っちゃう。腹立つわ。

旅をしながら無口な親父の若い頃のことを聞いたり、生家を訪れたり、本当に少しずつ親子の距離が近づいてる感じがじんわり良かった。
カトリックなんだからヤリ続けてたらそりゃ子供はできるだろって言ってた親父も本当は子供たちの為に残すものがほしくて必死だったんだね。ぶっきらぼうな親父だなあ。泣
ラストもほんと良い息子。この息子こそが宝物だったじゃん。
ネブラスカの街を去る親父が"prize☆winner"の帽子を被って窓を開けてトラックを堂々と運転して帰る姿かっこよかったよ!

最後に、親父さん、結構時間たって線路で落とした入れ歯を見つけたのにそのまま口に入れないで!めちゃくちゃ汚いよ!っていう感想。