オカルトチャンピオン

42〜世界を変えた男〜のオカルトチャンピオンのネタバレレビュー・内容・結末

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

おれはスポーツに興味がない。
もちろん見れば人並みに感動するんだけど、その反面、熱狂に駆られたサポーターたちが対立する側には平気で聞いてられない言葉を叫ぶから好きになれない。
20代の頃、知り合いに連れられてプロ野球を見に行ったときに巨人の韓国選手に対して、本当にひどい差別用語を叫んでいる小学生くらいの男の子を見て、こんなことなんで隣の親が怒らないんだと愕然とした。
もちろん子供が自分から思いついてそんな言葉を叫ぶはずもなく、隣の親、周りのサポーターの大人たちがそうしていたからなんだろう。
それ以来スポーツは見ない。

この映画は初めて黒人でメジャーリーガーになった男のはなし。

チームメイト、サポーターからも受け入れられず、街ではトイレもホテルも拒否され、試合になれば相手チーム、相手サポーターからの差別的な言葉で罵られる。

リッキーや奥さんに支えられ励まされて、結果を出して周囲を納得させていく主人公の姿。
それでもフィリーズの監督チャップマンの言葉には当事者でもないおれでさえ許せないほど怒りが込み上げてくる。
折れたバットで奴の喉をブッ刺して二度と喋れないようにさせたいとすら思ってしまう。

スタンリーが文句を言いにいってくれた、ハロルドがチャップマンの首を絞めてやります!言ったところでもう涙止まんないのに、ジャッキーの頭に球を投げやがった投手に対してみんなでブチギレに行ったところ、ブーイングが止まないスタジアムを前にピーウィーがジャッキーと肩を組んで話したこと"全員が42番を着れば違いがわからない"
そうなんだよ。号泣
人間それぞれの違いなんてそんなもんなんだよ。
シャワーのシーンももちろん泣いた。
もう涙が止まらん。
1人で闘っていたと思っていた差別にみんなが怒ってくれる。
間違っていることをちゃんと言葉と態度に示してくれる。

見てよかった。素晴らしい映画だった。

何よりチャドウィック・ボーズマンの黒人が抱える苦悩も想いも怒りも優しさもプライドもこのジャッキーという偉大なメジャーリーガーにブチ込む凄さにとても感動した。っていう感想。