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ファインディング・ドリーのRのネタバレレビュー・内容・結末

ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

映画館で1人で鑑賞。

ピクサーの看板作品の一つ、「ファインディング・ニモ」の続編映画。

監督は「ファインディング・ニモ」と同じくアンドリュー・スタントン。

「ファインディング・ニモ」は人間に攫われたカクレクマノミの子ども、ニモを取り戻すため父親のマーリンが道中出会ったドリーと旅に出る話だった。

今作はそのドリーが主役。幼き頃、生き別れた両親を探すため舞台を自然保護センターに移し、またも旅に出かける。

前作はピクサーのCG技術×海という最高のポテンシャルと共に親子愛が見事に描かれていたが、本作もまたドリーとその両親を通して、またも親子愛が描かれる。ただ、本作はそれ以上にドリーというキャラクターがより一層好きになる作りになっている。

冒頭の舌ったらずなベビードリーから心を掴まれるわけだが、今作はなぜ「ニモ」の状況下に至ったかをそこから丁寧に描く、まさに「ドリー:エピソード0」。

元々忘れっぽい性格のドリーだが、これは作中では詳しく言及されないがその描写から記憶に関わる障害があると思う。やっぱり。

そんなドリーに根気強く物事を繰り返し伝えるドリーの両親はやっぱり偉いなぁ。それを障害と捉えず、一つの「個性」として優しく見守る様は親の鏡だ。

ただ、そこから生き別れ、「ニモ」のドリーに至るわけだ。

ドリーといえば忘れっぽさと同時に楽天家でいつでも明るい。それが少々度を超えていて「ニモ」や今作でも序盤は若干ウザいなーと感じていた。

序盤は。

けどねー、やっぱりドリーというキャラクターは周囲を惹きつける魅力があると確信しました。

天性の人(魚)たらしだわ。

今作も思惑を持ったタコのハンクやパイプ仲間のジンベイザメ、ディスティニーと出会う訳なんだけど、出会いはどうあれ最終的にはドリーを助けている。

その気持ちはすごくよくわかる。

だってほっとけないんだもんなぁ。

確かにその個性からなのか、性格からなのかうっとうしい面もある、けどそれ以上に純粋な明るさと芯の強さをもった、類まれなる存在なんだよね、ドリーって。

彼女は忘れっぽい、えてして記憶に関わる障害があるかもしれない、けど誰に対してもいつもまっすぐだし軸がブレない。

だからこそ、初めは思惑をもっていたハンクも近眼で前が見えづらいディスティニーも、そして前作からの付き合いで今作でも初めは渋々だったマーリンも彼女を最後は見捨てない。

そして、両親も…。

諦めない強さだとか挫けなさとか月並みな言葉しか思い浮かばないけど、これだけ1人(1匹)のキャラクターに牽引される映画って、もうそれだけでステキやん?

他のキャラクターも1匹1匹が本当に魅力的でタコのハンクが万能&イケメンすぎだとかディスティニーが可愛すぎ(声含めて)とか色々書きたいことがあるけど、もう全部ドリーに持ってかれたなー。

終盤、ドリーが外の世界に恐怖を抱くハンクに言う言葉

「一番素敵なことは偶然起こる、それが人生!」

その言葉がすごく自分の中で…きた。

どんなに先が見えなくても目の前の小さな道筋からやがて大海に通ずことってあるんだなぁ。

ドリー、君ってやつは希望に満ち溢れているよ。

俺もその希望に当てられたわ。

安直すぎかもしれないし、そう上手くはいかないかもしれないけど素敵なことが偶然起きる人生を謳歌したい、そう思わせてくれる一本だった。









「ニモ」からずっとうやむやしていたあいつらに実に13年振りに会えたのも嬉しかった。あのラストはあぁ…だけど、きっと「ファインディング・マーリン」でイケるよね?きっと!!

あと、唐突の八代亜紀に劇場中が失笑してたのは笑った。
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