雇用あきら

シンデレラの雇用あきらのレビュー・感想・評価

シンデレラ(2015年製作の映画)
3.9
えらくシンプルに王道な話で驚きました。
 
ただし実は今回のシンデレラは唯一一点のみ独自の解釈によるオリジナルシークエンスが用意されていました。
 
物語ラスト王子とエラは再び出会う、二人の恋にガラスの靴を履かせエラがシンデレラ本人であるか確認する必要も無かった。
 
このラストシークエンスはシンデレラという物語の一番のカタルシスを感じるシーンを否定した全くのオリジナル展開であり、このシンデレラという話に違和感無くさりげなく演出出来るかに全編そこに一点集中全力投入されていたわけで。
 
その違和感をカモフラージュするために他は全て誰もが知っているシンデレラストーリーだけにし、観てる我々に今回のシンデレラは全く原典そのままなんだと摺り込みをさせ、そしてそのオリジナルシークエンスも原典そのままと錯覚させてしまったわけです。
 
ここまで計算づくで全く新しいシンデレラストーリーとして再構築した手腕にもはやディズニーに敵無しと驚愕してしまいました。
 
あと近衛兵だけでなく諸外国の王女にも黒人俳優を配していること、ヨーロッパを象徴するシンデレラ城ではなく今作ではアメリカ建築様式である宮殿にしてしまったことなどは、中世の物語というヨーロッパ白人文化の象徴でもあるシンデレラを米国に帰化させてしまったことであると、今回のシンデレラでさらに注目するファクターでもあると追記しておきます。
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