みりお

ラヴレースのみりおのレビュー・感想・評価

ラヴレース(2013年製作の映画)
3.3
ずっと気になっていたので、ようやく観れた。
伝説のポルノ映画「ディープスロート」の主演女優として一躍有名になったリンダ・ラヴレース。
彼女の生涯と、「ディープスロート」の誕生秘話を描いた作品。

当時の「ディープスロート」の革新性とかを知らないから、そのすごさを完全にわかったわけではないけれど、やはり1970年代にただの一般人がポルノ映画に出るってことは大変だったことなんだろう。
しかもそれが夫の遊ぶ金の為で、DVにより強制的に出演させられていたというのだから、あまりにショッキングな事実。

ただそのストーリーを描きつつも、リンダ・ラヴレースを、おバカな女性にも、可哀想な女性にも描いていないのが、本作のすごいところ。
女性として、妻として、想像を絶する痛みに見舞われつつも、その境遇に落胆することなく、それを踏み台により強く羽ばたく。
そんな様子を、脚本が見事に作り上げ、更にはアマンダ・セイフライドが見事な演技で表現していた。
痛みや暴力に屈することなく、女性を欲求の対象としかしない"ポルノ作品"や"DV"への異議を唱え続けたリンダ・ラヴレースの生涯は見事だった。

それにしてもアマンダの演技の振れ幅すごすぎ。
あんなに可愛くて歌も上手いのに、演技もここまでとは、本当にすごい。
「レ・ミゼラブル」のあまりにピュアで、恋に舞い上がっていたコゼットと同一人物とは思えない。
あとイヤな男、ダメな男、弱い男を演じさせたら右に出る者はいない、ピーター・サースガードも素晴らしいキャスティング。
良い作品でした。
みりお

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