「忘れること」って案外悪いことじゃないかもなー、って思わせてくれるような作品。忘れちゃえば、また思い出せる。
平成最後の夏、アホみたいにジメジメした日に観れて良かったな。というか、台風きてる。
安直な成長劇に回収されないからこそ、『冬冬の夏休み』は傑作と言える。こんな微妙な時期を描いた作品、それも巧みに描いた作品と言うと、ちょっとすぐには思い出せない。
楽しかった思い出も、よくわからない大人の事情も、兄妹はすぐに忘れてしまうだろう。二人はまだ、大人への階段の手前でウロウロしている。「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えるようになって、初めて一人前だ。
バイトしてる学習塾の小学生どもにも、もう少し優しくしてあげようと思いました。