1000さんの映画レビュー・感想・評価

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ルックバック(2024年製作の映画)

4.2

こんなことできるのか、という純粋な驚きがあった。あまりに立派な原作漫画を、本当にそのまま動かしたようなアニメ映画だ。私もう「絵 上手く なり方」のところで泣いていた。

藤野の声がめっちゃ良かった。強
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

よくもまぁ、こんないけ好かない公衆トイレが次から次へと……。
そのPRとして打たれた映画だと聞いてびっくりした。『PERFECT DAYS』、「こんなふうに生きていけたなら」、どデカく流れる「Feel
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

『水』とか『鹿』でいいところを『悪は存在しない』なんてタイトル付けるもんだから、「これはパイプではない」みたいなことになってしまった。
しかし、いやはや濱口竜介。すごいとは知っていたが、ここでスローシ
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アラビアンナイト(1974年製作の映画)

3.8

悪魔なのに、ハグが優しい☺️

展開ははちゃめちゃだが、一貫したリズムがあるので、かなり見やすい方のパゾリーニだ。どいつもこいつもセックスが好きすぎる。

デカメロン(1970年製作の映画)

4.3

歯もろくにないナポリ人たちが糞尿と精液にまみれる話が続くわ続く。この緊張感のなさはなんなんだ。

話のつなぎにブリッジなんかないので、ゆるく始まりゆるく終わる。どの話も味わい深いが、修道女の間でセック
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

マイブリッジは連続写真によって肉眼では見えないものを見えるようにした。キャラクターたちが「撮影」に向ける異様な執着は、この物語がまるごとマイブリッジへのオマージュだからだろう。

見えるようで見えない
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

連鎖グシャっと現象、ちゃんと予習してきたぞ🐤

帽子はもちろんのこと、女癖が悪く、調子乗りなところも含め、オッペンハイマーは一貫してカウボーイ的な存在として現れる。町を作るのに際し、ネイティブアメリカ
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.4

いやーすごくいいものを見た。片手に収まるぐらいの、小さな映画。
乗り過ごし自体はほんとうに些細なトラブルなのだが、もっと大きく、根本的に解消不能なトラブルと重ね合わせる手つきがお見事。これは帰れなくな
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

飛行機で見た。
スケールの小さいミステリーだなと思っていたが、なるほどこういう味わいのパルムドールか。
それはそれでいいと思うが、それなら別に見なくてもよかったかな。

関心領域(2023年製作の映画)

3.5

飛行機で見た。
なんにせよあるものを穢れとして認識しているなら、その側に住むことに嫌悪感があって然るべきなのに、それ以前のレベルで無関心なのがグロテスクだ。気にかけているのは家と庭だけ。

画面が綺麗
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

3.6

話もさることながら、人物の移動がきしょい。ただっ広い空間を行ったり来たり。あのなんでもない時間、不気味にすら至らない平凡な時間が、ちょっとうまく言語化できない仕方できしょい。

やたらと服を脱ぐシーン
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おなかすいた、寒い(1984年製作の映画)

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奢るだけ奢ってひとり先に帰ったやつ、どういうつもり???

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

5.0

②2024/03/04
ラストの"改心"したジュールスによる演説、なんでこんな名シーンを忘れていたのかと不思議なくらいすばらしかった。いまさらとやかく言うまでもなく最高級に馬鹿らしく笑える映画なのだが
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

見た目は大人、頭脳は子供なエマ・ストーンの珍道中。
男たちはみんな、去勢されているか、痛々しいか、銃を突きつけた状態から余裕で逆転されるどうしようもないthingsとして登場する。しかし、女性なるもの
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

少なくとも最後の数分間、私たちはみんな映画が奇跡を起こす瞬間を待ち望んでいた。

ビクトル・エリセの新作公開というのに、とっさには事態が飲み込めずにいたのだが、最近流行りの?セルフオマージュ大作だった
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マルメロの陽光(1992年製作の映画)

4.4

2時間の間、ひとりのおっさんが絵を描き続けるだけの話なのに、すごくずっしりくる映画だ。転がり落ちるだけなのに岩を押し上げ続けるシーシュポスのように、アントニオ・ロペスは創作という不条理から逃れられない>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.7

神戸には何度も行こうと思い立ったのに、結局一度も行ったことがない。なので、そこで暮らすとはどういうことかも分からなければ、そこを去るとはどういうことなのかも分からない。しかし、純がフェリーで神戸を去る>>続きを読む

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

3.8

西田敏行と松重豊の映画だった。後者に至っては小言言ってるだけでなにもしていないのにオーラがすごい。前者はただただ"""本物"""だった。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.0

ストレートなジャズを称している割には、けっこうフュージョンな感じなんだ。

言うまでもなく素晴らしい漫画なのだが、それ以上のなにかはとくになかったな。
ヌルヌルするたびに肩幅で笑ってしまう。

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

ちょっと予定調和すぎたか。犬が全てを解決する、というのも含めて。

ウクライナ情勢を伝えるラジオ。こういう社会問題をちょっと絡めるのもこの監督らしさがあるが、本作に限ってはあまりうまく折り合っていなか
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アンダーグラウンド 完全版(1995年製作の映画)

5.0

こんなのいいに決まっているのだ。
不思議な話で、3時間版よりもこじんまりとしており、5時間という尺を感じさせないドライブ感がある。それは、省略されていたディテールが補われて話が飲み込みやすくなったから
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

ずいぶん映画らしい映画をみた。
PTA、クストリッツァ、タランティーノっぽいのがやりたい、というのを包み隠そうともしないあたりが清々しい。『アンダーグラウンド』『ブギーナイツ』『ワンス・アポン・ア・タ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

唐突に話のルールが変わり、しかもそれを明示しないというので、なかなか奇妙な味わいのジブリだった。情報の殴打と、それに不釣り合いな主題のシンプルさ(実母の死を乗り越え、継母との新たな関係性を築くこと)は>>続きを読む

ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ(1985年製作の映画)

4.3

画面がずっと楽しい。いくらなんでも見る人を選ぶ主題と構成なのだが、こういうカラフルに凝った映画が好きな人にはたまらんだろう。

三島事件の経緯と、三島の生涯と、三島小説が、まとまりそうでまとまらず、散
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.5

今村夏子読んでた恋人がビジネス本手に取り出したら、そりゃなにかが崩れる音するわ。気の毒だったねぇ。

国内文学と邦ロックに比重が大きめのサブカルたちだったので、守備範囲が結構ちがった。
2017年にク
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怪物(2023年製作の映画)

4.7

すごくパワフルで、シリアスな映画だ。母親編では絶妙に神経を逆撫でするような出来事が続き、ほとんどコメディに近かったのに、教師編では理不尽が一転し、話のスケールの大きさが示される。子供たち編はもうただた>>続きを読む

おとし穴(1962年製作の映画)

4.0

ぽこぽこ…ジャーン!と鳴っている音楽がいい。パリッとしているが、コメディなんだろうな。

ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

3.6

『マリアの本』と『こんにちは、マリア』の抱き合わせ。
前者は小綺麗な、とくになんでもない短編。クマならぬヒョウがふにゃふにゃでよかった。
後者は序盤終盤が面白いが中だるみがひどい。ミリアム・ルーセルの
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カルメンという名の女(1983年製作の映画)

3.8

海とベートーヴェンがきれいなのでずっと見てられる映画だった。ゴダール、ずいぶん久々に見たが、こういうゴダールならもっと見てみたい。