OASIS

パージのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

パージ(2013年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

民衆の生活を豊かにする為、1年に12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が合法になるという「パージ法」が定められた近未来を舞台にした作品。
監督は「交渉人」等の脚本家ジェームズ・デモナコ。

ジェイソン・ブラムとマイケル・ベイが共同プロデュースした、イーサン・ホーク主演のホーム・インベージョンもの。
2022年という年代設定が絶妙であり微妙。
失業率が1%台になったり、犯罪率が過去最低を記録したりと「パージ法」がいかに政府にとって、そして民衆にとって望まれていたシステムであるかが必要悪的に描かれている。
ただ舞台となる範囲が非常に狭い為、心底に秘めていた暴虐性・破壊衝動が顕になり街がある種の「パーリナイ」な雰囲気に包まれる中「パーティーピーポー」達が暴れまわるという、オープニングで見せた各地で暴徒が街に溢れている映像のような街全体での「お祭り感」は足りなかったように思う。

警察、消防、緊急医療サービスが全て機能しなくなり無法地帯と化した街で、セキュリティ会社に勤め妻と2人の子供を持つ夫ジェームスが、パージが始まった直後に標的となってしまい一家の住む家の近くまで逃げ延びて来た黒人男性を息子が匿い助けた事から彼を狙う集団に襲われてしまう。
完璧なセキュリティシステムを誇る自宅が何者かに突破されてしまうという予想外の事態へのパニックに加えて、その集団が「ストレンジャーズ 戦慄の訪問者」に出てくるマスク集団のような奇妙な仮面を被って
やって来るので、気味の悪さと恐怖は単純に二倍二倍である。
集団のリーダーがかなり早い段階で自分から仮面を取るのであっけなく顔が割れてしまうが、仮面の下にある顔がまるでCGみたいにツルツルしていて、逆に素顔の方が気持ち悪いという二重の構えが面白かった。

暴徒が家の中に侵入するまではそれなりに背筋にビンビン来る感覚があったのだけど、いざ侵入してからは対決がワンパターン気味で一本調子な為面白みに欠けていた。
「クラス4以下の武器」しか使用出来ないという制約がある中で、暴徒側はバットや包丁、ピストルなど色んな武器を持っているのだが「レベル4以下」という基準が分からず。ピストルとかライフルとかは使っ良いんだ?と疑問。
主人公側暴徒側が使っているよりも格段に性能が優っている銃を持っているのでまるで相手にならず、抵抗できず一方的に倒されて行くというパターンが多くかなり拍子抜けであった。

自衛できない貧困層VSガチガチに守りを固める富裕層という構造ならばその境界線が崩れてしまうようなギリギリの攻防や鬩ぎ合いを見せて欲しかった所だったが、結局はお金持ちがぬくぬくと生き延びる結果になってしまって、そうすると逆に貧困層側にフラストレーションが溜まって行く一方なのではないかと思った。

貧困層VS貧困層という構図だと何の為に戦っているのか分からず虚しくなるだけだし、弱い者イジメ的描き方だと胸糞が悪くなるしで、パージの真の目的が明らかになると尚更のこと、スカッとしそうな設定の割りには鑑賞後の気分があまり良くない作品だった。