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フォックスキャッチャーのらのネタバレレビュー・内容・結末

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

何も知らずに観たので「殺されるの兄だったんだ!」と思った。実話ベースだけど、そのことが物語をより奥深いものにしている。常に非支配者であり、子であることを強いられる(または自ら求めざるを得ない)マークが哀れでならない。ジョン・デュポンの境遇も痛ましく、死という最も悲劇的な結末を迎えたはずの正しく善良なデイヴに、なぜか一番哀れみの気持ちが湧いてこないような作りになっているのは面白い。何より三人の演技が素晴らしい。

ただ、思いっきりアメリカという国家のメタファーやアナロジーとして"父性のもつれ"が人間関係に持ち込まれていたり、同性愛的な暗示が絡められていたりするのは事実の脚色としてやや強引かつ安易に思わなくもない。マザーコンプレックスやナショナリズムも分かりやすく取り入れられている。
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