竜平

X-MEN:フューチャー&パストの竜平のレビュー・感想・評価

X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)
4.8
『X-MEN』シリーズ第5作目。何やら一大事が起き荒廃してしまった未来、その現状を救う鍵となる過去のとある時代へと「あの男」がタイムリープすることに。人間とミュータントの存続を懸けた任務が今始まる、という話。

新章となる前作『ファースト・ジェネレーション』と、スピンオフの2作目『ウルヴァリン:SAMURAI』の続きにあたる作品。これだけ長く続いてるシリーズはなかなか手を出しづらいと思うけども、ぜひとも旧三部作から全部おさらいした上で見てほしい、とにかく見応えがバツグンの内容となってる今作。というのもまずキャストがほぼ勢揃い。時間軸が異なっていて本来共演するはずのないキャラたちが、過去と未来を並行して進んでいくストーリーとタイムスリップ的な技法によって一つの作品に集結。このお祭り感が本当に素晴らしい。その中で絶対的な主人公でありキーマンとなるのがヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンこと「ローガン」。意外と戦う場面は少ないんだけど今作でも安定のかっこよさ。また今まであまりフィーチャーされてこなかったミスティークこと「レイヴン」がストーリーにおいて重要な役回りになってたり。あとは僅かな登場ながら見事に注目をかっ攫っていく「クイックシルバー」、彼の超高速シーンは見もの。もうひとつ個人的にお気に入りなのがジェームズ・マカヴォイ扮する若い姿とパトリック・スチュワート扮する年老いた姿の二人の「プロフェッサーX」が時を超えて繋がり会話するシーン。彼の能力と映画の設定が可能にした秀逸すぎる場面だなと。

そう、今作はアクションやバトルよりもやっぱりこの『X-MEN』シリーズ特有のシリアスかつ濃厚な人間ドラマが見所だったりする。キャラクター間にある友情や葛藤はこれまでの作品を見ていればこそ伝わってくるはず。例えば前作『ファースト・ジェネレーション』から来るチャールズ、エリック、レイヴンの三者の関係性だったり、スピンオフも含めて描かれてきたローガンの壮絶すぎる人生だったり、その他様々なエピソード、細かなシーンがこれまでの作品のいろんなところに繋がっていて、ファンからしたらもうニヤニヤが止まらないってな状況。

ただまぁ時間を操ることによって大胆な過去改変が起こるために、過去の作品での出来事がなかったことになったりちょっと辻褄が合わない部分があったりもして、そこらへん好みや意見は分かれそう。まぁ元々ここまで続く予定のなかったシリーズ、多少強引かもしれないけどそれにしては上手くまとめてるんじゃないかなどうかな。個人的にはシリーズで一番好きな作品、というか最高傑作、であるが故に太鼓判を押しとく。次回作は『アポカリプス』。
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