Hondaカット

STAND BY ME ドラえもんのHondaカットのレビュー・感想・評価

STAND BY ME ドラえもん(2014年製作の映画)
3.6
71点。予告を見て「うわ気持ち悪っ。今更3DCGでやる意味わからんわ!」と思ってましたが、僕が間違ってました。いまこの手法で焼き直す意味はとてもあったと思います。

ドラえもんの世界観は【「箱庭」で起こる業と欲の落語】だと勝手に解釈してるのだが、その箱庭感たるやっ!キャラクターの気持ち悪さもそういう記号的箱庭だと思えば、とても楽しく見れた。3DCG(3Dモデル)も3D(立体視の方)も素晴らしくマッチしてたし、何か新しい画を観た領域までいってる。そして、ドラえもんの世界の中に【実写的カメラワーク】が入るとこう演出できるのか、というのをきちんとチャレンジや考察がされていて、唸ってしまった。

話は、原作エピソードを繋ぎあわせ、てんこ盛り。それをのび太の成長&しずかちゃんとの話に絞って筋を通しているので、一本のドラえもん映画としてちゃんと成立しているのも凄い。、、、
ただ!!その分端折ったのが、ドラえもんの面白さの肝、【ひみつ道具で巻き起こるあれこれ】!えーーー!そりゃあないよー!(ドラ泣き)。。でもタイトな90分尺にまとめたのは正解だと思うし、ドラえもんの魂の肝、【人間賛歌(詳しくは書きません)】を押さえているので、納得はできた。

しかし、感動、泣かせ、過剰な泣かせるぞオーラからの、中のやつらも泣き、観客も泣かせようとして、それを宣伝で最大に言ってるのは、もうくどくてくどくて、はいはいはいはい。基本的には大嫌いだしドラえもんの本質からもはずれている。でも周りの若い子ら泣いてたなぁ。みなベタでいいのかな、というかドラえもんというコンテンツの分かりやすい展開込みで、刷り込みや懐かしさやサービスも込みで、泣いてたと思う。

というわけで、期待が低かったのもあり、クソみたいなサブタイトルと、エンドロールの丸パクリのあれ!(恥ずかしくないのかな…)以外は概ね満足しました。高得点じゃないのは、ドラえもんの原作の素晴らしさを知った上での鑑賞なので、一本の映画だけの感想ではないな、と思ったからです。
Hondaカット

Hondaカット