89点。重いテーマと演技を軽快にすら魅せきる巨匠スコセッシ監督のなんと若々しい演出か。3時間半全く飽きず【映画】というものを堪能できる。役者陣の確かなキャラクターとしての存在感も、格好つけてない感じが格好いいというか、素晴らしいというひと言。
飽きないという意味でも、編集の技術によるところが大きく、特に時制のいってこいの仕方のお洒落なこと。長尺かつ情報量の多い作品だが、語りに合わせて自在に挿入される画は、理解度のフォロー、かつエンターテイメントになっている。
最後手前のシーケンスの落としどころ（あれ自体も実話でかつシステム批判になっている）も、さらにその後のそれでもシステムに屈しないとでもいうようなラストカットにも痺れた。
