映画を見たつもりが1人の黒人の最期の日の日記を見せられた気がした。それくらいとても自然な1日だった。
年末に勤めていたスーパーをクビになり、ヤクの売人になるも足を洗い、母の誕生日に少し良いカニと誕生日カードを買い、カウントダウンを祝う花火を見にいく。ただ、それだけのなんでもない日常のはずだった。
事実に基づいた話をあまりに自然に撮るので、逆にこの凄惨な結末はフィクションであって欲しいと願ってしまった。エンディングがわかっているだけにほのぼのとした大晦日のホームパーティーやカウントダウンがとても辛すぎて見ていられなくなった。
とてもリアルに感じられ、緩急があったという意味では素晴らしい映画だったと思う。さらに無駄もなくシンプルにまとまっていてよかった。
R.I.P. Oscar Grant