Hondaカット

プリズナーズのHondaカットのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
3.8
76点。行方不明の子供を捜す父親がだんだん狂気に…。筋としてはシンプルだが緊迫感を持続して見せきる演出力と役者力。ポール・ダノはやや狂った役やらせると最高です。

カットの割り方も考え抜かれて(そうな雰囲気がして)いるので、何が伏線か、何をメッセージとしているカットなのか、目をこらして観てしまう。それは紛れもなく撮影監督、名匠ロジャー・ディーキンスのなせる技。全てのカットが素晴らしい画作りで、陰影だけで人物の感情を伝えているとか、不安感を煽るとか素晴らしいの一言。
同撮影監督の『スカイフォール』の時も感じたが、フィルム撮影ではなくデジタルカメラで撮っているけれども、「本当はフィルムで撮れた方が良いのに!」…というのではなく【デジタルならではの映画のトーン】を産み出そうとしているアプローチに非常に好感がもてます。

普通の人間がふとしたきっかけで囚われてしまう、すぐ側にある「闇」を丁寧に描いた秀作。キリスト教とその色々な宗派のことや、北米の郊外の問題なんかが身近であれば、もっと興味深く観れたのだろうなぁ。
Hondaカット

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