LEONkei

シンプル・シモンのLEONkeiのレビュー・感想・評価

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
2.0
生まれ持って備わったモノ〝才能〟とは、特別なモノとは限らない。

それは何も方程式が解けるとか…記憶力が凄いとか…走るのが速いとか、そんな特別な事ではない。

方程式が解けなくてもいい…覚えた事がすぐ忘れてもいい…走るのが遅くてもいい、そんな特別な事はどうでもいい。

全ての人々には何かしら〝才能〟は、生まれながらにして持っている。

人を思いやる気持ち…諦めず何度も立ち上がる気持ち…損得無しに何かをやろうとする気持ち…。

そんな事、誰だって…って思うかもしれないが実際は、そう簡単にできることではない。

感動したり…悲しんだり…泣いたり…怒ったり…憎んだり、それだって本来個々がもっている〝才能〟によって表現や感じ方が違う。

もちろん感情は生まれた瞬間に決まる訳ではなく、環境や周囲の影響や経験を積み年齢とともに養われていく。

しかし、その感情のベースは両親のDNAを受け継ぎ、母親の胎内で10ヶ月間いることは重要な意味を持つ時間。

本来、不合理な自己犠牲の行為が何故できるかと言えば、生まれながらにして持ち合わせた〝才能〟とも言える。

その行為の対象は親子・兄弟姉妹・祖父母と血の繋がりが真っ先に思い浮かぶが、人間の面白いところは例え血が繋がっていなくても強く結びつくことができる不思議な生き物。

あまりにシンプルな考えだからこそ分かりやすいシモンの行動と、兄の関係性が最も純粋な生き方なのかもしれない。

シモンの〝アスペルガー症候群〟を単なる病気や発達障害の1つとは考えたくない、寧ろそれはある意味〝才能〟と思いたい。

いわゆる一般的に言う‪普通の人々‬から見て日常的にも、おかしな行動や理解できない意味不明な行為をする人は少なくない。

自分と違うから異常なのか?

いや、何が正常で何が異常かなど誰にも分からない。

人が日々苦しみ悩みながらも不思議と生きていけるのは、極端に言えば生き続けてるだけで〝才能〟があると言っていいだろう..★,
LEONkei

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