ぴろぴろ

おやすみなさいを言いたくてのぴろぴろのレビュー・感想・評価

4.2
衝撃だった。
やっと故郷に戻れても再び戦地に戻ってしまう『ハートロッカー』を思い出したりした。
冒頭からリアルで、だけどやるせなくて引き込まれた。

ジュリエット・ビノシュの渾身の演技が素晴らしい。 長女役の子も良かった。
間違い無く、母親の背中を見て育っていて、影響を受けている。 思春期の我が子とは、遅かれ早かれ対峙する瞬間がやって来る。

仕事って何だろう、働くことって何だろう。 鑑賞後、ずっと考えてしまう自分がいる。 生きる為、食べる為なら他に安全な仕事も有るけど、もちろん働く事ってそれだけではないワケで。 もっと純粋なモノ、やり甲斐だったり生き甲斐だったり、 自分自身であったりもするワケで。 自ら紛争地帯に赴いて、 命懸けで伝えようとする想い、内側から突き上げる情熱、使命感。
後藤健二さんの事があった直後だから、余計に考えてしまう。
良い、悪いじゃないし、正解は無いんだと思う。 『どっちが大事?』と選べるモノでも無いんだと。 みんながみんな器用じゃないから。
ただ、私たちが得ている情報は、命懸けで伝えてくれた人によって得ているという現実。

マーカスはまっとうで、彼の気持ちは良く理解出来るものの、これがもしマーカスがカメラマンで レベッカが家で待つ、逆の設定だったら きっと映画にはならなかったでしょう。
鑑賞後胸がザワザワするような、心を揺さぶられた、とても見応えのある作品だった。
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