リラリオ

(秘)色情めす市場のリラリオのレビュー・感想・評価

(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)
3.8
日活P、日本映画史に残る傑作と呼ばれる作品。原題は「受胎告知」
日活P初鑑賞!いやぁ~ホント、とんでもねぇ映画だった…めちゃくちゃ前衛的で…これ、エロ目的で観た人はマジ萎えるだろうな 笑

大阪の旧赤線地帯。ドヤ街の近くで客を引き、体を売る19歳のトメ。
40過ぎてもなお現役、同じく売春婦の母ヨネと知的障害者の弟サネオと3人で暮らしている。
フリーになったことで店のおかみユリに恨みを買う→ユリの差し金で、ヤクザの浅見にボコられる→満身創痍で帰宅→痛がるトメ→しかし男とのSEXに夢中で見向きもしないヨネ→サネオは傷ついたトメに寄り添う→が、発情→「男だもんね…」→こんにゃく出動。

トメはユリの店に文句を言いに行く→「なんのこっちゃ…」とぼけるユリ→待望のピチピチ新人フミエが入ったことにより、ユリの怒りはトーンダウン→軋む店の天井→電話が鳴る→「えっ…若い子…ちょっと待って」→ユリはトメに聞く「どうや!トメちゃん、一発稼ぐ気あるか?」→ホテルで年増を掴まされた客が若い子をよこせとゴネているらしい→トメはホテルへ向かう→「選手交代!」掴まされた年増とは、ヨネのことだった…。

ある日、ヨネから妊娠したことを告げられる→堕胎するための金を貸してくれと頼まれる→「知らんがな」トメは断る。
喫茶店では、フミエとフミエの恋人敦が浅見から金を受け取る→みかじめ料を貰うと浅見は喫茶店を出ていく→「すまない…」→「何にも言わないで…うちと知り合ってなかったら、あんたも使い込みしなかっただろうに…この金で美味しいものでも食べに行こう!」

敦が姿を消す→探し回るフミエ→敦を見かけてないかとトメに尋ねる→「そのうち帰って来るんじゃない?」→「よその男に抱かれる自分を嫌いになって何処かに行ってしまったのかも…」→フミエは浅見に相談→「力になったる!」→結果…真珠入りのブツをぶち込まれる。
そして、真珠の虜になってしまったフミエは、浅見の女になってしまう…。

敦は職探しから帰ってくる→トメにフミエの居場所を尋ねる→「あきらめな!もうヒモつきや!」→「えぇぇ!!仕事探してたのにぃ~」→フミエに会いに行くが門前払いされる→フミエの代わり&手切れ金にダッチワイフをもらう→が、不良品で空気漏れ→修理→「真珠高いから、代わりにパチンコ玉アソコに入れようかな…」
ダッチワイフを抱き、街をさまよい歩く敦。

敦はダッチワイフにガスを入れる→浅見とフミエの後をつけ回す→「しつけぇーな!」→敦はダッチワイフを浅見に投げつける→浅見は煙草に火をつける。
その瞬間、ダッチワイフ大爆発!!
3人はダッチワイフ爆弾により木っ端みじん…爆死する。
その後、哀しきダッチワイフ心中事件は酒場で話のネタにされる。

ヨネは金欲しさに窃盗→秒で捕まり、ボコられ流産→トメはサネオと一線を越える→翌朝、目を覚ますとサネオの姿がない→サネオは、首に紐を括り付けた鶏を抱え街を歩く→通天閣に辿り着く→通天閣の一番上まで上る→サネオは紐を握りしめ、空に向かい鶏を放つ!

鶏は、羽ばたくことなく、首を吊った状態でブラブラ揺れる…
そしてサネオは廃墟の商店街に行き、首を吊り自殺。
1人になってしまったトメ…
「みんなが望みを捨てた街、だから相性がええんや…」
希望がない街、ここが自分の居場所…トメはこの街で強く生きていく。
線香代わりの煙草に火をつける。

撮影禁止エリア西成あいりん地区で、ゲリラ撮影をした超ディープな作品。
そして映画だけでなく、出演している俳優たちの人生も壮絶…。
トメ役の芹明香は、稼ぎをヒモに全て吸い取られ、覚せい剤に手を出し三度の逮捕歴があり。
女優・舞踊家・社会活動家のヨナ役の花柳幻舟は、お家騒動で家元を襲撃、包丁で首を切りつける傷害事件と天皇即位パレードで爆竹投げ込むテロ行為で二度逮捕されている。2019年に橋から転落し亡くなられていますが、その死が事故でなく暗殺された説があるとか…。
いや~日活P、マジディープだわ~
リラリオ

リラリオ