リラリオ

私は決して泣かないのリラリオのレビュー・感想・評価

私は決して泣かない(2020年製作の映画)
3.3
ポーランドで暮らす17歳のオラ。
アイルランドで出稼ぎをしている父の「車を買ってくれる」という約束を信じ、自動車免許の教習を受けるが、試験に落ちてしまう。
そんな中、アイルランドから電話が…
それは父がコンテナの落下事故で死亡したという知らせだった。
オラは障害を持つ兄と英語を話せない母に代わりに、父の遺体を引き取りに単身アイルランドへ行くことになる。
しかし…

3回目の運転免許実技試験→「合格すれば車買ってもらえるぜぇ!」→試験は順調に進む→くそポリ公!くそポリ公!激ダサ着信音が車内に響き渡る→「すんません…」慌てて電話を切る→試験官「…ここまで順調だし、試験センターに戻るか…」→「はい!」→くそポリ公!くそポリ公!またスマホが鳴る→その時、駐車場から車が勢いよくバックで出てくる→「!!」→ハンドルを切り、間一髪!難を逃れる→が「なんだ今のは!車線越えたな!!」激おこ試験官→「えぇぇ!!」おいおい…悪いのはあっちで、衝突を回避しただけだろと主張するが…→「試験終了!車から降りろ!」→納得いかねぇオラは車から降り、突っ込んできた車の元へ→「なんだよ!!」→「テメェ💢こっちは3回目なんだよ!!」→怒りの蹴りを入れる→ナンバープレート外れる→「何しやがる!このイカレ女め!」→取っ組み合いになり、試験官が止めに入る→試験官が吹っ飛ばされ…喧嘩終了。
試験はもちろん不合格。
そして試験中に何度も電話を掛けてきたのは、アイルランドで出稼ぎをしている父だった。

帰宅→重い障害を持つ兄の世話をする母→「…150ズロチ要るからちょうだい」→「何で?」→「試験代」→「渡したでしょ?」→「…落ちた」→「何度も落ちて…向いてないんじゃね?」維持費かかるし、なくても困らねぇし車なんかいらねぇ派の母→「車は私へのプレゼントなんだから口挟むな!」→激しい口調に泣き出す兄→「ごめん…」謝るオラ→「…ママはよくても私たちは世界を見たいの!ねっ!」→兄とグータッチ

自宅にアイルランドから電話が掛かってくる。英語が話せない母に代わり、オラが対応する。
「大変残念なお知らせなのですが…事故が起き…コンテナ落下事故でして…申し上げにくいのですが…亡くなりました…」

遺体を引き取りにアイルランドへ行かねばならない→「英語喋れんから代わりに行ってこい!」アイルランド行きをオラに押し付ける母→「はぁ!?私、未成年だよ?学校もあるのに…」→「父親の遺体放っておく気?あんたに残したお金もあるだろうし、つべこべ言わず連れて帰ってきて!!」こうしてオラがアイルランドへ行く羽目に…
「初飛行…マジ緊張」ワインを豪快にラッバ飲み、タバコを吸う→空港行きのバスが到着→アルコール持ち込み禁止と注意され、その場で飲み干す→バスに乗車→飛行機に搭乗→アイルランド到着。

まず職業紹介所へ行き、父の職場を聞く→「ダブリンの海運会社を紹介している」→「そこで事故に遭いました」→「うち管轄外だから、職場か病院行けや!」→「どこか知らねぇし…」→「はぁ?父親の職場も知らんのかい!」→手続きの順序と病院、葬儀屋、領事館の住所を教えてもらう→4ユーロの地図をパクり、恩を仇で返す→タバコを買いに行くが高すぎて店員にブチ切れる。
病院へ向かう→遺体確認→損傷激しすぎぃで父かどうかわからず→所持品見る→父かどうかわからず→「父親でしょ?なんも知らんのかい…目立つアザとかは?」→「聞いてみます」→母に電話→「目立った特徴とかあった?」→「尻にアザあったな…」→尻を確認…遺体は父親だった。
葬儀屋へ→「ポーランドまで遺体を…」→「空港までの移送、フライトなどすべての手続きを代行します」→料金を計算→「すべて込みで3500ユーロです」→頭を抱えるオラ→「最安って聞いたんだけど…」→葬儀屋は棚から骨壺を取り出し、机に置く→「こちらなら1000ユーロです」

父の働いていた職場へ行き、責任者に会う→シフト表と個別障害評価委員会の報告書を見せられる→「お金は出ない」→「父はれっきとした合法就労者です!保険でも何でもお金ください!」→「君のお父さんは…」なんと父は他人のタイムカードで時間外労働をしていたのだった→「いるべきでない場所にいて事故に遭った。従って事故も法律の適用外になる…」
保険金は下りず、遺体の輸送代が払えない→従業員のロッカールームへ忍び込む→父のロッカーをこじ開ける→酒の瓶と財布→財布の中身を調べる→所持金ほぼ0、銀行のカードと身分証…そして見知らぬ女性の写真→「…誰?」→ATMへ→身分証で誕生日を調べ、暗証番号を入力→残高はなんと…9.40ユーロ→「!?わしの車代は!?」

母に連絡→「貯金はなし、口座は空だった」→「部屋にあるんじゃね?」→「住所は?」→「…わかんない」→「はぁ?夫婦でしょ?」父の住んでいた住所を知らない母にイラッとする→「金ねぇから遺灰持って帰れない」→火葬した方が輸送費が安いと説明→が…火葬絶対許さん!の母「神父様が認めない。ご近所がなんて言うか…」→「神父も近所も関係ねんだよ!全て私に押し付けて…父親の後始末は簡単じゃない!」
こうして旅の目的は、遺体引き取りから父の貯金探しへと変わる…
様々な手を尽くし…そして父にルーマニア人の愛人がいたことを知る…。

祖国で仕送りを待つ家族のため必死で働く出稼ぎ者…しかし家族は、慣れっこになり、送る者のことさえ忘れてしまう。頭にあるのは金額と送金日だけ…
オラも父の人柄、ミドルネームすら知らない。頭にあるのは車を買うために父が貯めていた貯金のことだけ…
旅を通し、ほとんど知らなかった父の素顔に触れるオラ。
父の墓石、葬儀代<オラのために貯めた金をネコババした父の愛人の資格取得費用…
金を取り返し(ネコババされた金をカバンから盗む)車を買う気満々だったが、母ちゃんがその金で墓石を買おうとしているのを知り…「わしの金じゃ!使われる前に使っちまおう!」と異国の地で車を購入しようとするも失敗+職業紹介所のおっさんに説教をくらった結果だけれども…
よーわからん愛人に負ける非常に残念な母ちゃん 笑
しかし尖った17歳だったな~
ヘビースモーカーでヘビードリンカー、すぐブチ切れる、中指立てる、暴力、器物損壊、不法侵入、窃盗…
しかしいくら尖っていても「くそポリ公」着メロはないだろ 笑
DQN系厨二病女子が異国の地で社会の様々な理不尽に直面しながら成長していく物語。
悪くはないが…あまり刺さらなかった。
リラリオ

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