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ラブ&ピースのRのネタバレレビュー・内容・結末

ラブ&ピース(2015年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で鑑賞。

2015年公開の園子温(「地獄でなぜ悪い」)監督作品。

やりたいことはわかるけど…うーん。という感じ。

話はミュージシャンを夢見る冴えない会社員の鈴木良一(長谷川博己「シン・ゴジラ」)が出店で亀を買い、「ピカドン」と名付けることから始まる。
良一はピカドンを可愛がるがふとしたことでトイレに流してしまう。下水道を辿った先でピカドンは謎の老人(西田敏行「ステキな金縛り」)に出会い、謎の飴を食べたことで良一の願いの分だけ巨大化し始め…という良一とピカドンの絆を主軸に特撮✖︎ファンタジーという感じ。

「ヒミズ」や「冷たい熱帯魚」など数々のエキセントリックな作品を生み出した園子温監督作にして珍しく人が死なない話。

だからか、なんというかパンチが足りない。

特撮にしても、寓話としてもなんとなーく薄い印象。

良一が初めて歌うシーンや下水道のぬいぐるみやおもちゃたちが老人の話すファンタジックな描写など所々は良いが、全編通して見るとコレジャナイ感がある。

それに主人公の良一が何を考えているかわからず、感情移入できない点も個人的に大きい。

ただ、全ての結末の後の忌野清志郎率いるRCサクセションの「スローバラード」の流れるシーンは良かった。音楽の力がひしひしと伝わるラストだった。

2015年は作品を多数世に出した園子温監督だが、そのどれもが個人的にはピンとこないものばかりだった。

2016年、そして今後どうなるかわからないが園子温監督には映画界の第一線でどこまでもアナーキーに戦い続けて欲しい。

あの冒頭の「A SION SONO'S FILMS」、そして嫌が応にでも高まるあのダン!ダン!という音を響かせるたびに映画ファンを楽しませ続けて欲しい。
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