かつてケイティとクリスティが住んでいた家に、ライアンとエミリー夫妻が引っ越してくる。
夫妻はある日、物置でビデオカメラとビデオテープが入った箱を見つけ、興味本位でカメラのレンズをのぞくが、それをきっかけに周囲で恐ろしい出来事が起こるようになる。
2人は幼い娘をまもるため、必死で怪現象に立ち向かうのだが……。
人気ホラー「パラノーマル・アクティビティ」のスピンオフをのぞいた本シリーズの5作目。
ネタも底つき心霊現象が起こる家に別人家族を引っ越させ、新たな恐怖を生み出したつもりだが、VFXを駆使した別物の心霊エンタメ作品になった。
そして、4までと微妙に時系列や登場人物を重ねながら筋立てしているので、これまでの話や流れを覚えておかないと理解しづらい。
今までの作品を連続で見ないと『???』になるかも。
今回は、霊を写せるビデオカメラが登場。
ただ、もう少し控え目でもよかったような……。
「現象を捉えるカメラ」と「存在を撮すカメラ」という趣向を凝らした設定は面白いが、展開のノリがオカルトモノや心霊モノといった「ホラー」ではなく、米版「白石晃士モキュメンタリー」のよう。
正体不明だったはずの怪現象の主が、カメラに写りまくるし、悪魔祓いとか始めてしまった。
POV作品の破綻はともかく、エクソシストやオーメン通り越して貞子かよ展開には驚く。
ちょっとは進展があったのかな。
このシリーズは、毎回同じところをグルグル回っているような気もしますが、一応、登場人物には相関性があって、話も前に進んでいます…というあたりまえのことが、なんだか凄いことのように思えるシリーズです。
しかし、5作目にしてやっとこれか〜とダラける。
そして、毎回役にたたない神父がはじめて役にたった。
基本的にはビックリした系の怖さですが、終盤の怒濤の畳み掛けは良し。
これ絶対3Dで見たかったやつだな…。
POVホラーで3Dという矛盾をアクロバティックなギミックで乗り越えてて、その勢いで斬新な映像表現に挑戦しているなっていう。
空間の歪みをのたくらせるような存在の表現、立体で見たかったな。