オレンチ

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生のオレンチのレビュー・感想・評価

3.5
見出しレビュー復活しました。気になる点だけでも読んでいってくださいな。

世紀の戦いを目撃!!

どこまでもビジュアルがカッコいい映画だった!と同時にもったいない映画だった!
ただ、カッコいいもの見たさで鑑賞しに行った自分にとって、満足のいく作品でした。


◼︎アメコミとしてのバットマン再来

本作何よりも期待したのがバットマンの描かれ方。『ダークナイトトリロジー』のバットマンは、バットマンであってバットマンではない…と言うと言い過ぎかもしれないけど、少なくとも直球にアメコミを映画化した作品ではない。
と言うのもノーラン曰く、『ダークナイトトリロジーは他のヒーローが存在しない世界』と言っており、アメコミの世界と切り離された作品。
なので、本作を鑑賞する上で『ダークナイトトリロジー』のバットマンとは切り離して鑑賞するのが大きなポイントとなる。
その点で言うと、よりアメコミらしいバットマンとなっていたものの、それを見せつけるシーンが余りにも少なく感じた。
ピンポイントで1シーン挙げるとグラップネルガンによって見せる自由自在な移動が良かったが、これは本当に一瞬でもっと沢山活用して良かったのではないかという思いが残った。


◼︎アーマード・バットマン。ダークナイトからベルセルクへ

そしてやはり男心を燃やすのがアーマード・バットマンと呼ばれる鉄の塊のような無骨なスーツのバットマンだ。もはやスーツではなく鎧そのもので、マントを付けた姿はまさに"ベルセルク"のガッツ。
バットマンはダークナイトからベルセルクへと変化した。
そしてその登場が、夜、豪雨、ゴッサム…ロケーションは最高である。
そこに対峙するスーパーマンとバットマン。
額に入れて飾りたいくらいかっこ良かった。というか飾ろう。


◼︎史上最もブルース・ウェイン

新ブルース・ウェイン役がベン・アフレックに決まった時、マイナスなイメージを持った方が多かったのではなかろうか?自分もその一人だったが、蓋を開けてみたらベン・アフレックは史上最もブルース・ウェインに適していた。(あくまでも個人的な感想。)
これは主観的な部分でブルース・ウェインは体格のいいガッチリとしたイメージが僕の中にあるからだ。特にゲームの「アーカムシリーズ」をプレイしたことのある方にはより伝わると思う。
なのでベン・アフレックの程よい男前具合と体格、そして過去の華やかさが自分の中のブルース・ウェインと重なった。
余談だが、「アーカムシリーズ」をプレイしたこのとのある方達は「ザック、絶対アーカムシリーズプレイしてるだろ…」と感じたシーンが多かったのではなかろうか?
自分はグラップネルガンからのラリアット、テイクダウンのカメラワークで確信した。

ちなみにちょっと気になるところがあったのだけれど、バットマンのマスクをつけてもベン・アフレックの特徴的なホクロが飛び出していた…バ、バレる…


◼︎あせり?よくばり?もったいないキャスト達

キャストの話に移る前に全体的な構成からお話しようと思う。
マーベルシネマティックユニバース(以下MCU)に続くように始まったDCエクステンディットユニバース(以下DCEU)だが、自分はしっかりとした準備期間がMCUの成功に導いたのだと思っている。
というのは、「アベンジャーズ」に登場する主要ヒーローの作品一つ一つを丁寧に映画化したことだ。
これによって主役級のヒーロー達が一つの映画に集まったとしても、過去にしっかりとその人物像を掴んでいるため持ち味を殺しあわなかった。
しかし、DCEUはどうだろう。
結局準備をしたのはスーパーマンだけだ。これによって初めて入ってくる情報量が多すぎて結局観客は置いてけぼりになってしまった。
ではピックアップしてキャスト達を見ていこう。

・レックス・ルーサー/ジェシー・アイゼンバーグ
過去のイメージはボケ、悪、天才が絶妙に混合した唯一無二のキャラクターだった。本作ではボケの部分を完全に削ったことで、悪の天才という部分がより強く残り、まるで「ダークナイト」のジョーカーのような不気味さが前面に出たレックス・ルーサーが誕生した。
DCEUの世界観には正解で、これをジェシー・アイゼンバーグが怪演。しかし、ヒーロー達との絡みが圧倒的に少なかったため強烈な印象を残すまでに至らなかった。

・ワンダーウーマン/ガル・ガドット
謎めいた魅惑の女性というコンセプトでこちらもキャスティングは正解だったと思う。ただ、謎すぎる。
本領発揮のワンダーウーマンとしての登場シーンはハンス・ジマーのテーマ曲によりとてつもない興奮を覚えたが、もしこれが単体の作品1作を挟んでいたのであれば、この興奮は数倍にまで膨れ上がっただろうと思う。

・アルフレッド・ペニーワーズ/ジェレミー・アイアンズ
個人的に最ももったいないと感じたキャスティング。
アルフレッドのイメージは高潔な英国紳士であり、これを演じてきた役者達はマイケル・ガフとマイケル・ケインで、原作のイメージをしっかりと守りぬいてきた。
ジェレミー・アイアンズも彼らに負けない高潔なイメージを持っているが、こちらも登場シーンが少なすぎる。
この場数の少なさでは、4作演じたマイケル・ガフ、3作演じたマイケル・ケインに遅れをとってしまっても仕方がない。


◼︎終焉の日、納得の結末(ネタバレ有り)

レックス・ルーサーが「終焉の日」を口にした時、刮目した方は多かったのではないだろうか。予告編などで、ある程度その登場はわかっていたが興奮するものは興奮する。
最も適したタイミングでドゥームズデイの実写化だろう。
またこいつが登場したからにはスーパーマンのあの結末は納得のいくものがある。


◼︎「ジャスティスリーグ」への期待と不安(ネタバレ有り)

上記のドゥームズデイとの戦いで、DCEUにとって最も見せてはならない部分が露呈してしまったと思う。
それはメタヒューマンとバットマンの実力差である。
実際、最後の戦いを見た人はバットマンに空気感を感じた人も少なくはないのではないだろうか。
ジャスティスリーグの創設メンバーである、スーパーマン、ワンダーウーマン、バットマンだが、アベンジャーズでいうビッグ3(キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソー)のような存在であるにもかかわらず、バットマンは他の2名に完全に遅れを取っているように移ってしまっていた。
今後、集まったヒーロー達の中でどのようにバットマンは威厳を保つかが最大の課題だろう。
また、このユニバースでスレイド・ウィルソンやラーズ・アル・グールのような驚異的なヴィランが描かれることを期待している。


◼︎バットマンの今後(考察、ネタバレ有り)

お気づきの方も多いかと思うが、バットケイヴにジョーカーにズタズタにされたであろうロビンのスーツがあった。
これは間違いなくジェイソン・トッドのものだろう。
ジェイソン・トッドは2代目ロビンとして活躍していたが、ジョーカーに捕らえられた挙句殺されてしまう。
そして後にヴィラン、レッドフードとして復活を遂げるのである。
恐らく今後展開されるDCEUの中でこれを因縁としたバットマンとジョーカーの戦いが観れるのではないかと期待している。

もっと細かく予想すると、スー・サイドスクワッドでは核心に触れず鑑賞者に謎を残し、バットマンの単体作で回収するといった流れになるのではないだろうか。




・スーパーマンの予備知識
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