JunIwaoka

ジャージー・ボーイズのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)
3.0
2014.11.8 @ TOHOシネマズ六本木
(原題:Jersey Boys)

最初に言っておくとクリント・イーストウッド監督作品は苦手だ。これまで観た中でチェンジリングを除いて、男の友情や男らしさみたいなものを美化し、血生臭いことまで正当化してしまう部分は理解し難いし、涙なんて流せない。
この映画が素晴らしかったのはその血生臭いところがなかったからで、現実離れしているようにも思えるが、その男同士の友情劇が極めて美しい。(でも本国アメリカでこの映画の興行成績がふるわなかったのはやっぱり求めているものが違うのかな。)
パッとしない少年が歌という才能と荒れくれものな友人の支えによって、音楽の世界でスターダムにのし上がるなか、代償としてすれ違ってしまう友情。どんな栄光も廃れてしまう儚さがあり、それでもなお友を見捨てない強さが、実話と言うこともあり説得力があって泣ける。代表曲"シェリー"がどれほど名曲なのか知らなかったけど、原点であるあの路地裏で歌うシーンのハーモニーは最高だった。
クリントおじさんがこれまでずっとこだわている男の美学は、劇中で言うジャージー流なのかと思って、終わってWikipediaで調べてみたら、カリフォルニア州生まれでした。全然真逆じゃないか。

喜怒哀楽のエンターテイメントに富んだ作品を、今年いっぱいで失効してしまうシネマイレージマイルを使ってプレミアシートで、ポップコーンまでつけて贅沢にハリウッド映画を堪能しました。
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