圧倒的な力を持つ存在として神よりも明らかにリアリティがある白鯨に直面して、人間の身の程についてどう考えさせられるのか、それでもなお神を信じられるか
序盤の港でのめちゃくちゃ現世利益でお気楽で平易な説教と、孤島でのチェイスとポラードのやりとりとの対比にそれをすごい感じた
神が信じられなくなったとして、例えば人の肉を食べた罪悪感はどこに向ければいいのか、ニッカーソンの長年の苦悩はここにあるんでは
彼の場合はメルヴィルの『白鯨』が受け皿になった
関係性としての罪
誰の、何に対する、何の…
メルヴィルの取材料をニッカーソンが受けとれず、結局夫人が「預かることにしとく」っていうのは映画の最後のひと笑い以上の意味がある気がする。処理できてない夫の罪悪を引き受けてたのはニッカーソン夫人だから