エクストリームマン

インヒアレント・ヴァイスのエクストリームマンのレビュー・感想・評価

インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)
5.0
We haven’t had that spirit here since nineteen sixty nine.

これだけ期待を裏切らない映画作家がいるだろうか。前作も大好きだけど、本作も負けず劣らず大好きな映画になった。

主演のホアキン・フェニックスはダメ男やっててもカッコいいなぁ……というか、ドックは別にダメなヤツじゃないよね。頭キレるし情には厚いし。ただちょっとハッパが好きで、肝心な時にもキメちゃうだけなんだ。相変わらず見事な顔ヂカラでした。

一番掘り出し物感あったのはビッグフットを演じてたジョシュ・ブローリンかな。強烈なキャラだけど、ギリギリのリアリティで留まってるその絶妙さが完璧!映画館で冷やしてなくてもいいからチョコバナナ売っといてくれよ。パンケーキ屋での日本語も最高に笑わせてくれた。もっとコメディに出てもいい俳優であることは間違いない。

ヒロインというかファム・ファタールのキャサリン・ウォーターストンは、フレッシュな女優ならではのミステリアスさが上手くハマっていたね。冒頭の不安に押し潰されそうな顔の見事さ。今後に期待。

他、キャストも場面も諸々最高で、カッコイイ画で魅せてくれたり、叫び声で笑わせてくれたりと盛り沢山。抗し難い巨大な影に為す術も無く翻弄されているようで、ラストには一条の希望が差し込んでいたのもまた良い。

舗道の敷石の下はビーチだ!