竜平

コードネーム U.N.C.L.E.の竜平のレビュー・感想・評価

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)
3.5
第二次世界大戦後、東西冷戦真っ只中の時代を舞台に、アメリカとソ連のスパイがひょんなことから手を組み核兵器を巡る陰謀に立ち向かう、という話。

1960年代に放送されていたテレビドラマのリメイクとのこと。時代背景というのが設定やら何やらに結構関わってる気がするんだけど、知らなくてもまぁ雰囲気だけで楽しめちゃう感じ。敵の敵は味方、的な、国も考え方も流儀も違う、そもそも敵対する者同士という相性サイアクの二人がひょんなことからコンビを組むことに。序盤のスパイバトルから漂う両者の「只者でない感」が良い。この設定って実際はあり得ないことなんだろうけどもまぁそれもご愛嬌。ダブル主演のヘンリー・カヴィルとアーミー・ハマーの掛け合いはなんとも微笑ましいし、また極端にキレやすかったり女たらしだったりと各々キャラが立ってるあたりも見ていて楽しい。ガイ・リッチー特有の映像演出もちらほらありつつ、そこにかかる多彩な音楽も魅力的。とにかくお洒落で、終始クールで、そこらへんハマる人にはハマる内容になってるんじゃないかなと。

なんだけども、どことなく感じてしまう「地味さ」というのはなんなんだろう、ってこれは時代設定がそうさせるのかな。最近のスパイ映画にあるような派手さや豪快なアクションを期待すると肩すかしをくらうと思う。小道具や装飾なんかもやっぱり時代に忠実だったりして、ここにも昨今のハイテク、近未来っぽいものを欲してしまうと以下同文。いやしかしストーリーとしてもイマイチ盛り上がりに欠けるというか。魅力的な悪役がいなかったり、味方側が目立つのはいいんだけどあまりピンチにもならないし、全体的に緊張感がないってのももしかしたらあるかも。総じて、なんだか惜しい一本。続編作りますよ感満載のラストも、なんだかね。とりあえず、我こそはスパイ映画好き、ってな人なら見てみて損はないかと。

サッカー選手のヴェッカムがカメオ出演してたことを後で知る、全然気づかなかった。どーでもいいけどヘンリー・カヴィルがスーパーマンに見えて仕方ないのは俺だけじゃないよね。
竜平

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