もっちゃん

プロミスト・ランドのもっちゃんのレビュー・感想・評価

プロミスト・ランド(2012年製作の映画)
4.0
次世代エネルギー、シェールガスを巡るエネルギー採掘会社と環境保護論者たちの戦い。現実的にもタイムリーな話題なので考えさせられた。

会社でも敏腕で通っているスティーブ(マットデイモン)は自らも農家の出であることで、地域住民を説得する術に長けていた。そんな彼がまたいつものようにある街を説得に当たるが、中々上手くいかない。徐々に彼の中の理念が崩れていく…

非常に複雑な問題だが、正面から向き合っていかなければならないエネルギー問題。金を得て自分だけが私腹を肥やせばいいのか、未来の子孫たちはどうなる、安全なのかそうでないのか、など様々な思惑が交差する。

面白いのは意見では対立している彼らだが、根っこのところでは相手を尊敬している。シェールガス反対派のおじいさんは人間としてはスティーブを買っている。バーの人たちも環境保護論者も人としてスティーブを受け入れている。ただ勝ち負けだけでしか物事を見ていなかったスティーブだけはそれが見えない。それが企業に飼われている人間と田舎で暮らす人々との心を対比しているようで悲しい。