このレビューはネタバレを含みます
抑制の効いた映像と音響でゆったりと楽しめる。ガスヴァンサントの映画は生理的に気持ち良い。
知的だけどちょっと頭でっかちで、服のタグを外し忘れるボンクラで、でもすごく真面目なサラリーマンをマット・デイモンが好演。二日酔いで記憶が飛ぶ中で庭の犬が寄ってきたり、ビールを両手に抱えた状態で意中の女性と遭遇したり。
フランシス・マクドーマンドの出来るオバちゃん感も素晴らしかった。
テーマはありきたりですが、まるで選挙のような印象工作と戸別訪問のシーンはなかなか新鮮。
ただ正直、演説エンドは物足りなかったです。物語的な興奮は薄かったし、そこはかなりモヤっとしました。お前を信じた町の人達にどう落とし前付けるんだと。
どうしようもない現実を受け入れる選択をした住民の声がもう少し欲しかったです。64点。