Bellissima

フランシス・ハのBellissimaのレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
4.0
『フランシス・ハ』@ユーロスペース

"なりたい自分"を明確化しながらも(どーにも こーにも)ままならない わたし 只今絶賛空回り中。「あーあ、なにやってんだろ わたし」一日一回こんなこと呟いてしまうあなたの為にあるような映画。ゆっくりと自分を見つめ直す時間。見終わるとスーッと気持ちが楽になりますよ

永遠ではないと思ってはいたが、いとも簡単に2人でシェアしていた安息地から親友がいち抜けたしちゃってからの流浪の自分探し。とある分岐点での選択で大きく別れていく人生そこで置いてきぼりくらった側の映画。見慣れた話の骨子も視点や語り口を変えるだけで素晴らしくなる好見本。

意地っ張りで人の好意を素直に受け取れない空回り連続のフランシスの姿を容赦なく突き付けてきて塩辛い。当の本人は実を結ばない事柄も自信を持って行動していれば「根拠」は後からついてくる。これ位へっちゃらへっちゃらと。どんだけデカイんだよ自己評価ってことなんですけど。

へこみこそするが1つのマイナス要因を大きく捉えて自分の中で肥大せてしまわないのがフランシスのいいとこ。ジャンプアップしていった親友ソフィーの様にではなく着実に一歩一歩自分の基盤を固めてステップアップしていくしかないと諦念するフランシスが凄く好ましかったんですよね。

要所要所で出てくる住所ってフランシスの現在地を示しているグーグルマップの赤いピンみたいなもんだと思うんです。最後に彼女自信がピンを刺した(地に足を着けた)場所は何処なのか。そしてそこにタイトルの「ハ」の意味がわかるという仕掛けになっているのが心憎い。気持のいい秀作


雑感) 男2人女1人の素っ気無い共同生活が「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で微笑ましかった。男共が彼女の女性的魅力にさしたる感心ないとかノッポレヴ君の帽子の被り方なんてまんま。どうせなら悪ノリでゴダール「はなればなれに」ゴッコ見たかったな。http://t.co/PMeyS9l7mG
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