赤いジャケット

アントマンの赤いジャケットのレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
3.5
2008年の映画【アイアンマン】から始まったマーベル・スタジオの映画プロジェクト「マーベル・シネマティック・ユニバース」
本作はその12作目
企画自体はイギリスの映画監督のエドガー・ライトの手で映画【アイアンマン】の製作とほぼ同時期にスタートするも、エドガー・ライト自身の抱える映画撮影を優先したり、マーベル・スタジオ側の他作品との関係でのシナリオ強化の要請、その結果の監督脚本の交代劇など
思わぬ難産となった映画なんですよね
よく完成したな、というのが正直な印象ですね
豪華で豪快というべきオールスター映画【アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン】と同年に公開させるという判断も、文字通りミニマムで地味な本作での箸休め的な効果を期待したんだろうし、コケた所で元は取れるという算段だろう
そのためかかなりの異色作になっているんじゃないのかな?
そもそもがタイトルにもなっているヒーローのアントマンは劇中世界では年代の差はあれど二人登場し、その二人ともが子持ち
皆のために悪と戦うというより、子供との「絆」を取り戻したいがために奮闘する
またそのための手段が「泥棒」というのがまた
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の世界をまたグーッと広げた様な気がする
個人的に良いなと思ったのが、これ予告編でも見せているから書いてもネタバレにはならないと思うけど、最後の戦いの場所を子供部屋にしているんですね
これ良いアイデアですよね
自分の部屋でもひょっとするとアントマンが戦っているんじゃと想像が働いて、子供のころに観ていたら興奮したと思う
あとあれも上手いと思った
主人公の子供の育ての親となっている警官、彼は命をはって子供を助けようと飛びこんでいくんですね
彼もまたヒーローであると描かれている
つまり本作に登場する父親は、義理であろうが血がつながっていようがすべてヒーローなんですね
世のお父さんは子供と一緒に、どうぞ居心地の良い世界を堪能してくださいとなっている
そんな気がした