赤いジャケット

「僕の戦争」を探しての赤いジャケットのレビュー・感想・評価

「僕の戦争」を探して(2013年製作の映画)
3.0
時は1966年、場所はスペイン南部のアルメリア
世界的なロックバンドであるビートルズのメンバー、ジョン・レノンが俳優として参加している新作映画の撮影が行われていた
授業にビートルズの曲を取り入れる程のファンである英語教師がその事を知り、一目ジョン・レノンに会いたいと旅に出る
途中、わけあり女や家出少年と交流しつつも、果たして英語教師は目的を達成出来るのかという映画
これがまた、よく出来た映画で
渥美清主演、山田洋次原作・監督の映画【男はつらいよ】シリーズを連想させた
もちろん主人公である英語教師のキャラクターは寅さんとはまったく違うんだけど
何だろうね、中年おじさんの哀愁とユーモアがそう思わせたのか
これ冒頭、英語教師が自分の部屋で食事を用意する場面があるんですが
その時点でこの男は独り身で家族はいないという事が提示され、鍋に火をかけるわけですね
しかし、火はすぐに消え、プロパンガスを捻るもつかない
そこで英語教師はアイロンを逆さにして、鍋をそこへ置き、中身を温め始めるんですね
スプーンで中身をすくい、口に入れ、意外にいけるとニンマリ
この人、絶対悪い人じゃない
多少の不便さ、キツさ、辛さみたいな物は何とも思ってない
観てるこちらが応援したいと思わせてくれる、愛すべき中年おじさんという感じ
この冒頭の描写で心を持ってかれた
そんな感じで案外、ビートルズに対してそんなに興味を持ってない人でも本作は楽しめるんじゃないのかな