Yukenz

リトル・フォレスト 冬・春のYukenzのレビュー・感想・評価

3.9
夏・秋編の続き。冬は冬で沢山の美味しそうな料理が出てくる。「寒いと困るけど、寒くないと出来ないものもある」「寒さも大切な調味料のひとつ」とは上手く言ったものだ。

薪ストーブには憧れる。寒い田舎町では生活の必需品なんだろうけど、このストーブで作る焼き芋がまた魅力的。アルミホイルをほどくと少し焦げ目のついた薄皮が現れ、二つに割ると黄金色に輝きながら湯気を放つ。
春のパスタや新じゃが料理の鮮やかな彩りにも唾液が溢れる。料理は見た目も大事だと納得させられる。

一度都会に出てから小森に帰ってきたいち子とユウ太の会話が何気なく重たい。2人の生き方や故郷への向き合い方の違いにも触れてくる。母親とのストーリーも差し込んでくる。

クロージングはとても意外だった。人の営みはらせんということか。確かに目線が変わっている。
世代を超えてまた小森での生活が続いていくようだ。
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