スガシュウヘイ

アマデウスのスガシュウヘイのネタバレレビュー・内容・結末

アマデウス(1984年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

神に祈り続けながら、神から愛されなかった男、サリエリ。
下品極まりない言動にも関わらす、神から愛された男、モーツァルト。
同時代に生きた2人の物語。


サリエリだって優秀な音楽家だった。みんなから一目置かれていた。皇帝からも信頼され、愛する人から尊敬され、申し分のない名誉の中にいた。そんな自分をくださった神に日々感謝した。

しかし!
その状況は、モーツァルトの出現によって一変する。桁外れの天才。モーツァルトを歓迎するため自らが作曲した曲を、今ひとつだと勝手にアレンジして演奏され、しかもそのメロディが美しい。


そして愛する人も奪われた。サリエリは当然モーツァルトに嫉妬する。
しかしここが、本作で一番面白いところなのだが、サリエリはモーツァルトの作り出す音楽に、誰よりも感動してしまう。楽譜を見ただけで声も出せなくなるほどに。
素晴らしい、、。
これこそ神の音楽、、!
優秀な音楽家だからこそ、モーツァルトの凄さをわかってしまう。


なぜ!
なぜ神は、あのような男に才能をお与えになったのか!私には才能を見抜く能力だけ、、。


才能に対する嫉妬と、神の音楽への憧れが、同時に襲い掛かるサリエリの苦悩。


今まで見てきた映画の中で上位1%には入る傑作中の傑作。


公開:1984年(米)
監督:ミロス・フォアマン(『カッコーの巣の上で』)
脚本:ピーター・シェーファー
出演:F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルス
受賞:米アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞ほか。