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アマデウスのkaitoのレビュー・感想・評価

アマデウス(1984年製作の映画)
4.9
度肝を抜かれるような映画体験。

「アマデウス」
(映画の内容に触れます)

昔からパッケージを見たことがあって、少しだけ怖い印象があった。実際観てみて、どーだったのか。初めて抱いた印象通り、少しだけ怖い。笑 

アマデウス・モーツァルトとアントニオ・サリエリの対決を過去を回想するように描いていく今作。後半になればなるほど、白熱していく目では見えない対決、これがかなり面白かった。この映画は、2人の関係を上手く、良く描いていたように感じる。

陛下はじめとし、世間には全く評価されないオペラの発表会の時、アントニオ・サリエリだけが彼の才能を感じ、嫉妬するという、この関係性はすごく好き。嫉妬してはいるけど、どこか尊敬もあるような気がしてサリエリ役は見事な演技であった。

ラストの方にある、モーツァルトが口述をし、サリエリが譜面を筆記する場面。映画史に残るシーンな気がする。最初は理解できないモーツァルトの考えを、次第にサリエリが理解できるようになっていく。まさに狂気に満ちていて、加速していくこのシーンは満点。まるで譜面でいうアッチェレランド、クレシェンドを映像化したようなシーンだった。

世間からの評価を失っていくモーツァルト。神に才能を授けられたモーツァルトの死はサリエリ自身のせいだと告白し、凡庸なる者を救う者になるというこのラストはすごく好きだった。

欠点はない。
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