このレビューはネタバレを含みます
無音からの突然のRammstein!!!
場面の静けさと全く合っていないティルの低音がこれからの波乱を予感させる。
とってもエロい映画なのだと思っていたら、まったくエロくない。
ほとんどセックスシーンばかりなのに、ただの動作にしか見えない。
色情狂のジョーにとって、不特定多数とセックスにふけるのは、映画観たり、テニスしたり、読書したりするのと同じくらいの日常的楽しみなんじゃないか。
そこには「愛」とか言われている執着心がないので、淡々としてるし、欲望に忠実だし、エロくない。
最後のジェロームとのセックスだけが唯一エロく見える。
やっぱり「愛」がエロにとっての決定的な要素なのか?
トリアー監督の作品は、『ドッグヴィル』を初めて観て非常に後味が悪くなり、合わないから観るのはよそうと決めていた。
しかしこの作品はすごい好みだ。
ジョーがやさぐれ気味に「常識的」には不道徳的な半生を語るのに対して、セリグマンが教養豊かに共感しようと努める。
このやり取りが滑稽で面白い。
他の方も言っているが、完全にコメディ。
セックスシーンはオマケであり、ジョーとセリグマンの人生のやりとりに引き込まれる。
セリグマンのうんちく自体も面白いし、ジョーの感性を絶妙に言い換えているような、ズレてるような微妙さがよい。
飽きることなくvol.1が終わった。
2も気になる。