夜な夜な映画祭

ニンフォマニアック Vol.1の夜な夜な映画祭のレビュー・感想・評価

ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)
4.0
天才だよ、この監督。

表現としての既成の枠からはみ出して、それ自体に気負いを感じさせず、あたかも自然に、尺度に縛られてない自由な(新しい)映画を作ってしまう。

将棋やチェスのような複雑なルールや法則を持ったゲームの中で、ルールや法則に縛られず自由になるためには、その世界のルールや法則を熟知し呼吸するかのように駒を動かしていくことだ。というのは誰の言葉だったか。

楽器を自由にアドリブ演奏するためには、アンサンブルから外れないための決まり事、つまりコード、テンポ、リズムを、頭でというより体で理解しながら、呼吸するかのように音を出していくことだ。というのは音楽をやってる人ならだいたい同じことを言うはずだ。

何が言いたいのか。これはセックスや裸の映画じゃない。なんて自由なんだ!という表現の躍動性を感じる映画で、ただただその奔放さに見とれたらいい。

表現はやりつくされたなんて、よく言われるけど、いったい誰の言葉なのか。