夜な夜な映画祭

怒りの夜な夜な映画祭のレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.8
良くできた脚本で見応えある1本。実在する事件を引用することで、フィクションの世界から生々しい視線で現実を覗かれているような気持ち悪さを演出している。

ハッテン場に潜伏、日雇い現場で偽名で労働、ホクロをハサミで切り落とすなど、当時世間を騒がせた事件のエピソードが散りばめられる。

この映画はフィクションでありながら、そこに描かれる狂気は、数年前に我々の生活圏内に実在したものばかりだ。

映画を観ながら、背後に得たいの知れない気持ち悪さを感じてしまう。狂気は「普通の顔して」そこに潜む。

見事な脚本、見事な監督。