Kuri

みんなのための資本論のKuriのレビュー・感想・評価

みんなのための資本論(2013年製作の映画)
3.8
タイトルからして小難しいかと思っていましたが、すごーくわかりやすかったし、しかも面白くて前向きな気分になれました。

物語があるタイプの作品ではないのでネタバレかどうか難しいところですが、
この作品の中で述べられてることは、格差拡大が今の世界での問題の根っこにあり、解決するためには中間層が消費に廻すための所得を増やしていくことが何より重要であるということ。
つまり再分配の重要性を説いていて、読んだわけではないですが今作でも触れられているピケティの著作での意見に近いものかな、と。

90分に渡って、映像と言葉と彼自身の圧倒的な経験値を駆使して語られるその主張は、2016年の今では目新しくはないけれど、説教臭くなく説得力を持って受け入れられます(米国では2013年公開)。
クリントン政権の経済政策を仕切っていただけあって、単なる理想論になっていないのも凄く気持ちよい。

とかく迷いがちな自分にも、頭の片隅にずっとあるべき価値観をもたせてくれる、貴重な作品と思います。
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