美秋

誘拐の掟の美秋のレビュー・感想・評価

誘拐の掟(2014年製作の映画)
4.6
誘拐の掟とはなんなのか、という話ではない。連続誘拐殺人事件との対峙を通して描かれるのは贖罪と再生。低温のようでじわじわ熱くなる。勿論ミステリー、犯罪ドラマとしても見応えがある。
唐突にやってくる不条理な現実と容赦無い暴力。陰鬱で重苦しい空気ながらしっかり娯楽映画しているというか、美しさやポップさみたいな要素がある。全体的に映像が綺麗だし、好きな構図も多い。もっとも印象的な少女の初登場シーンも恐ろしい場面なのに不思議な高揚感がある。助手になる少年とのユーモラスなやりとりも楽しい。
理屈や常識など通じない人間は確かにいる。『悪の法則』を連想した。恐ろしい現実を目にすると人間という生き物を軽蔑したくなる。それでも主人公と少年の交流や、罪を償おうとする姿を見ると人間の可能性みたいなものを感じてしまう、単純。
余談になるけどスコット・フランクはきっとイケメン好きだ。前作はマシュー・グードを今作はボイド・ホルブルックとダン・スティーブンスを起用している、奇跡だ!
美秋

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