ぴろぴろ

世界の果ての通学路のぴろぴろのレビュー・感想・評価

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)
4.2
ケニア、モロッコ、アルゼンチン、インド。それぞれ異なる4つの地域に暮らす子供達の通学風景を追ったドキュメンタリー映画。『命掛け』という表現が全然大袈裟ではない道のりを、片道数時間かけて学校に通う。
ケニアの兄妹は、『あそこに象がいるからこっちから行こう』と崖の上から危険を確認しキリンの群れのサバンナを小走りに駆け抜ける。とにかく歩くというより小走り。モロッコの女の子3人組は険しい山を越え途中トラックに乗せてもらいながら、カバンに入れたニワトリと共に全寮制の学校に向かう。何故にニワトリ⁇ 観てるうちに分かる答えが少女らしくて微笑ましい。
アルゼンチンの兄妹は馬で通学。『お兄ちゃん前に乗せて』と前に乗りたがる妹が可愛い。草原の途中で待ち合わせしているのか馬に乗った友達と合流して学校に向かう。インドの3兄弟は、2人の弟が車椅子の長男を押しながら、舗装されてないデコボコ道をケンカしながらも学校に向かう。『帰りもまた車椅子を押すからね』と弟。学校に着くと、仲間達がわぁっと集まりお兄ちゃんをみんなで運んでくれるのには感激した。
何故、学びたいのか。
最後にそれぞれが将来の夢を語る。ケニアの少年とインドの車椅子の長男の言葉が印象深い。
『パイロットになって空の上から世界中を見てみたい』
『何も持たずに生まれ、何も持たずに死んで行く。それが人間。歩けない子供を助けたい。それが僕のゴール』
自分で道を拓く為に教育は不可欠だし、そこから子供達の無限の可能性が広がる。夢や目標の有る子供は違うなぁと我が子に見せたい映画だった。

♪ 天の神様 地の神様 ♪ 歌声がずっと頭の中で流れてる。

この通学を通して得た、生きる知恵と兄弟の絆は一生を支える幹となるだろう。子供達の未来が明るく素晴らしいものでありますように。最大級のエールを送りたい。
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