冬特有のひりつくような寒さと乾燥した雰囲気。
たまたま、全く関係ないノワール小説を読んでいたタイミングでの鑑賞。
今まであんまりノワール映画見てないから「官能的な暴力!崩壊に向けた不協和音!」みたいな勝手なイメージがあったけど、登場人物の人間臭さ、愚かさ、感情の揺らぎとか、その関係性が何のオブラートもなく迫ってくる気がした。
たった数作しかみてない奴が何をぬかすかって感じだけど、強調されがちな暴力とか官能シーンはあくまでただの手段でしかない。
今作は多くは語らず、語られず作品。
全体を通してかなり重めで破滅的な雰囲気が漂い続けるけど、それでも主人公の元刑事の欲望丸出しなだらしなさとか、成果を狙うぎらついた感じがクスッと笑える部分すらある。
ラストシーン含め、終盤に圧倒される。
何よりグイ・ルンメイが美し過ぎて…
いやー、でも難しかった…。
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バラバラに切断された遺体が各地に遺棄されるという凄惨な殺人事件が起きるが、未解決のまま時が過ぎ、再び同様の事件が起きる。元刑事の男は事件を追っていくなかで、1人の女の存在が浮かび上がる。