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テッド 2のnaocoのレビュー・感想・評価

テッド 2(2015年製作の映画)
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試写。笑えるけど笑えない大変興味深いヒット作続編。下品でお馬鹿な前作の魅力はそのままにマイノリティと社会の問題を皮肉たっぷりにつめこみ、すべての表現は社会の有り様から逃れられないと思わせる。
特に興味深いのは、“人権”を求めて闘うテッド=社会的弱者が、愚かで浅はかでひどく軽率に描かれている点。特にホモフォビア的な表現は人によっては不快なレベルだと思う。
マジョリティ目線の優等生ではないマイノリティをいかにして社会が救っていくか(マイノリティの立ち位置からしたら救われていくか)、感情的な観点で見守ると考えることがたくさんあるし自らの中にある差別の視線や固定観念に気付く。
また日本で見ると、不妊治療から何の躊躇なく養子縁組の手続きへと移行した展開に世の中の温度の差も感じられる。

こんな感じのこ難しい読み方ができる反面、前作のB級的なドタバタも盛りだくさんで娯楽作品としての面白さもばっちり。マッドマックス以上に誰にでも進められる作品かもしれない。
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