けーはち

複製された男のけーはちのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
3.2
ジェイク・ギレンホールが自分に瓜二つの他人に出会った男を演じる。ヴィルヌーヴ監督。なかなかに難解なミステリー・スリラー映画。原作小説が『The Double』、それで邦題『複製された男』は分かるのだが、映画の原題は『Enemy』──いったい誰が「敵」なのか。「複製された」自分か、「複製した」何者かか。いずれにせよ緊迫した情趣でありながら、話の佳境で行われる行為は妻と彼女を取り替えてのスワッピング的な行動だしオチも投げっぱなし。人外の存在が暗躍するSF掌編、或いはドッペルゲンガー、はたまた妊娠中の妻をよそに浮気した夫が自分の欲望という名の多重人格を殺し妻の愛を取り戻す内面の戦い……などなど、いずれに解釈するかは、ご自由にどうぞ。