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複製された男のkaitoのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
4.5
独特な世界観

『複製された男』

ドゥニ・ヴィルヌーヴ映画はついに4本目だ。『メッセージ』>『プリズナーズ』>『複製された男』>『ボーダーライン』の順番で好き。

難解映画と言われるだけあり、確かに理解し難い部分は多い。しかし単純にミステリー映画としても成り立っており、かなり面白いのだ。伏線として出てきたもので語られていない部分もあるが、それはおそらく映画の別の視点で重要なのだろう。

この映画は「ミステリー」であり、「倫理」をテーマに扱う素晴らしい映画だった。

 映画全体の世界観は暗く、妙な緊張感が持続していた。これほどに似ているのかと言われるくらいの2人。ジェイク・ギレンホールの演技はいつも以上に光っており、2人の違いが内面的な意味でよくわかる。内気なアダムと強気なアンソニーだ。違いは見た目ではなかなか分からないが演技によって違いを見せていたため、視点が切り替わってもスムーズに観ることができた。

2人の素性も曖昧なため、どちらの視点でも緊迫感がある。流石はドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼はいい映画しか作れないようだ。

ネタバレしない方がこの映画を楽しめると思う。この映画の鍵は「蜘蛛」「瓜二つであること」「支配」「アンソニー」かなあ。全く同じであるという点が1番のキーか。
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