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ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦のSPNminacoのレビュー・感想・評価

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あの歴史的大敗は知ってるけど、その後もまたドラマか漫画を地でいくような熱く爽やかなドキュメンタリーだった。タイカ・ワイティティによる映画化も納得。
ブラジルW杯予選に挑むアメリカ領サモア代表チーム、それぞれに濃いドラマが。米国から派遣されたオランダ系の新監督トーマス、サモアにルーツを持つロールストン選手、0対31の汚名を背負ったGKニッキー。アメリカ先住民族のようにサモアにも“Two Spirits”という存在があり、そのジャマイヤ選手も代表の一員だ。
信仰篤いキリスト教徒で賛美歌を歌いつつ、サモア伝統シヴァタウで見せる戦士の勇壮さ。楽園みたいな風景や大らかな気風と、貧困や自然災害。小さな島国、とりわけサッカーにおいてはハンディが大きいのだが、みんな気が優しそうで…なかなか勝てなかったのはそのせいもあるのかな。チームは島の内と外から、お互いに足りないものを補い合って覚醒していくようだった。
しかし悲願の初ゴール初勝利、宿敵サモアとの最終戦、祝福の雨まで出来すぎたくらいのシナリオ。トーマス監督の下、僅か3週間というのもすごい。いつか壁を破る日がくるという希望。そして外から来た、外へ出た人たちが帰ってくる場所になるという希望。
トーマス監督をマイケル・ファスベンダーが演じる映画版がどう脚色されてるのか楽しみ。
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