Hondaカット

バルフィ!人生に唄えばのHondaカットのレビュー・感想・評価

バルフィ!人生に唄えば(2012年製作の映画)
3.5
70点。思ったよりもかなり無声映画的で、思ってたよりも相当複雑な時間軸構成で、ほんとうに踊らないインド映画。

踊らないうえ、尺もインド映画にしては短いのは世界向けなコンテンツという意味でとても良い。時間軸の複雑さは『きっとうまくいく』もそうだし、インド映画の流行?少し遅れたタランティーノフォロワー的なのかなぁ。いきすぎていてあまり効果として成功してるとは思わなかった。インド人の年齢不詳化粧感がより分からなさに拍車をかけていた。

無声映画的な演出は主人公がしゃべれないだけでなく、周りの人物も台詞少なめ。それによって全体的に説明も少ない。役者の表情や動きで伝えている(そこに頼っている)部分が多く、演出としての「画で語る」をもっとやって欲しかった。画自体の流麗さは『アメリ』なんかを連想させる色&光使いなんだけど、それがせっかく無声である制約の中での「画の語り」とうまく合体してくれなかったような感じかも。(雨のシーンが多いなど心象描写的にいろいろやってはいたけど)

出演者の芝居もとても良く、あのバルフィが初めてキレた長回しのシーンや、耳が聞こえないからこそのラストの重要な目線の交錯するショットたちにはとてもハッとさせられた。
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