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マダム・イン・ニューヨークのturkeyのレビュー・感想・評価

4.8
英語の苦手なインドの奥様が、姪の結婚式の為、NYへ。
しかし、言葉の壁が有るばかりに酷い目に・・・

 「インド版、初めての英会話」の惹句、本当は「インド版「英国王のスピーチ」」なんだけど、それじゃ、モロにネタバレなので。(汗)
 この物語は、英語が出来ないばかりに自信を失いかけていた古風なインド人主婦が見知らぬNYで英会話学校にチャレンジ、その習得過程で消えかけた自信と人間としての尊厳を取り戻す、という「再生モノ」なのですが、数ある同タイプの作品の中で、個人的には好きな作品と言えます。
余り重くならずにサラッと描いてるので、すごく観易い。
何時でも、棚から取り出して見直せる気楽さが有ります。
撮影時49歳とは、とても思えない主演のシュリデヴィの美しさ、可愛さも多分に有るのだけど、やはり、人が真剣に学ぶ姿を見ると自然に応援したくなってしまいます。
教室の他の人達に比べ「恵まれた悩み」かもしれないけど、人間の尊厳は誰にとっても大事な事なのだから、余り捻くれる気にはなりませんでした。

「ジャッジメンタル」
「恋は要らないの、欲しいのは、尊重されること」
この作品は、この二つに集約されると思います。
特に「ジャッジメンタル」は、男性社会のインドで数々の困難にぶつかってきただろう女性監督の憤懣が込められてると推測します。
只、そう抗議しながら、教室のメンバー、特にフランス男の描き方はステロタイプで一種の「ジャッジメンタル」になってるのが、ちょっと皮肉かも。
 もう一つ「何故、家族に隠す必要があるのか」、これに対する合理的説明が作品の中に無い。これは人によって致命的欠陥、僕は適当にスルーしましたが減点にはなりました。

インド伝統のエンタティーメントとシリアス要素が上手く混ざった観易い作品。

※デヴィット先生(コーリー・ヒップス)、儲け役。(笑)
※飛行機の隣り合わせの客はアミダーブ・バッチャン、インドの国民的俳優の二人が並んで座ってる、まるでお内裏さまとお雛さま。
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