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あなたの名前を呼べたならのturkeyのレビュー・感想・評価

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)
4.3
「玉の輿」か「自立」か。
アジア的には「玉の輿」解釈かもしれないけど、フランス資本が入ってるし、僕は旦那様の愛するが故の置き土産で「自立」だと思う、何となく「世界一キライなあなたに」('16)で御曹司が臨時ヘルパーのルー(E・クラーク)にチャンスを遺していったのと同じ感じがします、彼女もデザイナー志望じゃなかったっけ。(笑)
カーストのないアメリカで二人が結ばれる「玉の輿」コースは作品のトーンと微妙に違う気がするし、カーストが骨の髄まで染み込んでるラトナの性格で二人がやっていけるのか疑問、友人が言うように親族の問題もある、大体、(カーストの)上の者が下の者に気遣いは出来ても実際を知る事は出来ないと思う、男と女の間の理解が想像でしかないように。
公式には廃止されたという「カースト制」、しかし、今も厳然と存在しインド人の生活を縛っています、生まれた階層で仕事の上限も年収もほぼ決まってしまう、テーブルの上を拭く人と床を拭く人さえカーストが違う国、映画「きっと、うまくいく」で落第→自殺が何度か出てくるのもITエンジニアと医者が数少ないカースト除外職種だからで、低カースト者が縋る蜘蛛の糸なんです、その為に親戚中からお金を借りて成功へ突き進むけど落第すれば借金と低カーストの中で一生を過ごす人生が待ってる、日本の落第とはまるで意味が違うのです。

 そんなカーストの越えられない厚い壁を心理的に描いた作品だと思います。

※日本でインド人を雇用、掲示板に新入社員としてフルネームを張り出すと人事課にクレーム(泣き)が入る、同じインド人が見ると名前(フルネーム)で所属するカーストが解るらしい。
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