shibamike

ジャック・ケルアック キング・オブ・ザ・ビートのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

バ・バ・バ・バミケ〜♪
バミケホーテ〜♪
ボリューム満点、激安ジャングル〜♪(ジャングルだぁ)

バ・バ・バ・バミケ〜♪
バミケホーテ〜♪
何でも揃って、素敵なお店〜♪
バミケホーテ〜♪

驚安の珍宝 (シ)バミ・ケホーテ

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柴三毛「阿佐ヶ谷に新しい映画館??」

と思い、取るものも取り敢えずおっとり刀で劇場へ駆けつけたところ、元・ユジク阿佐ヶ谷跡地にそのまま「Morc阿佐ヶ谷」という劇場ができていた。ユジク阿佐ヶ谷との関連は不明。
「Morc」という単語の意味はわからないが、恐らくパワハラとか恐怖政治とかさういう意味なのであらう。

上映ラインナップを見て、「じゃ…ジャック・ケルアック!!」と吸い込まれるやうに切符を購入し、鑑賞。
自分は20代の頃に地下街の人びと、路上を読んだことがあるが、
 20代三毛「これの何がオモロイんや…」
としか思えなかったビート音痴で、30歳を越えてから路上に再挑戦してみたが、やっぱり、
 30代三毛「これの何がオモロイんや…」
と一言一句変わらない結果に終わってしまい、だうしてもビート有段者になれない(そもそもバロウズもギンズバーグも読んだことない)。
たけし「柴三毛、この野郎!」

わざわざ自分で面白いと思えない文学作家の映画をわざわざ見るという、何でジャック・ケルアックにそこまで執着するかと言うと、自分が憧れるロケンロースターの多くがビート文学を称賛するからに他ならない。自分も是が非でも理解して有段者になりたいんである。
星野仙一「(ビート文学に)勝ちたいんやっ!」

映画自体は、ケルアックの生涯を申し訳程度のドラマで再現しつつ、ケルアック自身のインタビュー映像、著名人達によるケルアックに関するコメントを挟み、ケルアックその人を浮き上がらせるやうな感じ。

映画におけるケルアック像としては、「生粋の作家」という描き方であった。
 小さい頃から作家に憧れて、文章を書き続け、20代にはアウトロー生活に身を投じ、その放浪の旅を基に書いた「路上」がウルトラマン大ヒット。路上以前にも作品の出版はしていたとのことで、そもそも作家としての下地はできていたのだね。
 路上に関しては約7年に及ぶ放浪の内容を3週間で一気に書き上げたとのことで、神懸かり的な凄まじさを感じる(読んでも何が面白いのかさっぱりわかんなかったけど)。
「ある特定の世代のことを見事に描いている」かなんかさういう感じで評論家筋から激賞され、若者の間でも大人気!今で言うと何なのだらうね、全然思いつかない。
 とりあえず、世代を書き表す感じというのは良いですわな。ヘミングウェイ達に代表されるロスト・ジェネレーションの子ども世代としてのビート・ジェネレーション。○○ジェネレーションというのは何かカッコいいよね。今はもう仲間とか結束が薄れている時代な気がするので、さういう純粋でピュアな○○ジェネレーションというのも出現しにくい気がする(あったとしても商売の匂いがぷんぷんしさう)。

苦労の甲斐あって、ケルアックはやうやく一流作家の仲間入りを果たすのだけど、そこからはお約束の流れというか、創作のプレッシャーでアル中になってしまい、47歳という若さで亡くなってしまったとのこと。自分の超絶乱暴な総括だとケルアックは「アル中で死んだ人」と一言で終わってしまうが、そこには常人には理解も想像もできないやうな苦悩に次ぐ苦悩がケルアック本人にあったのでせう。
 自分はビートに対しての理解が乏しいのでこの作品から実りある栄養をタップリ吸収することができなかった(そもそも資料っぽい感じで、退屈めな作品という趣ではあったけど)。あくびを噛み殺した回数は10を超えました。しかし、いずれ面白みを理解したい!地下街の人びとと路上は面白いと思えなかったけど、ケルアックにはまだまだ他にも作品があるとのことで、ちびちび読んでみやうと思った。

映画の最後にはケルアックが本の朗読をするシーンがある(あの本、路上だったの?)。この朗読シーンはカッコ良かった。

「ビートとは?」という問いに対し、映画では「共鳴」や「消耗」と人それぞれ様々な回答が出る。
「共鳴」は何となくわかる気がするけど、「消耗?」と思ったら、「戦後当時、若者は多くのものを奪われ失い、消耗していた。生きていくために必要最低限の気力だけがあって、うんたらかんたら…」とかでわかるやうなわからないやうな。でも若者が消耗しているのはいつだってさうだよ、きっと。中年になった自分は、消耗というより消失という感じだけれど。
 いずれにしても文学もコミュニケーションの1つに過ぎず、理路整然とした理解や納得ではなく、共鳴という非言語的な強烈体験がビート文学に期待できるのであれば、こらぁオモロイ。文体にジャズのビートが漂い、ガツンと来ることを期待しつつ、ウンコして寝ます。

脱糞の殿堂 ベン・シヨーネ
たけし「コマネチ!」

柴三毛 路上の一句
「キャサディに ひとまず憧れ 覚えるね」
(季語:キャサディ→キチガイ→冬)
shibamike

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