shibamike

吸血鬼ゴケミドロのshibamikeのレビュー・感想・評価

吸血鬼ゴケミドロ(1968年製作の映画)
3.5
後家さん「あー!欲求不満よっ!ウーマナイザー!」

という「後家淫ら」ではなく、謎の宇宙生命体「ゴケミドロ」のお話であった。
阿佐ヶ谷で絶賛特集中の空想科学ガーエー特集。蠅男、透明人間、雪男、液体人間、エトセトラ。もう本っ当にかういうの好きっ。空想科学にこの世の辛さの逃げ場を求め、空想科学というかほとんど空想上の生き物となりつつある我々というか、弱者男性もしくは不適切男性という我々の眼球がスクリーンに釘付け。
4.0点にするか悩んだけど、終盤クドい気がしたので3.5点。

逃げ場のない密室、自己中の人間達、化物。
という鉄板面白ガーエー要素を揃えた作品。
先日観た傑作オチンコ…あれ?…あ…オマンコ…あれ?…あ!…マタンゴ!
マタンゴも似たやうなストーリーだったので、本作にも俄然期待の高まる自分ンゴねぇ。
中盤まではメッチャクチャ面白かったのだけど、いかんせん化物がチープだったのが残念だったンゴねぇ。
しかし、見応えはあったンゴねぇ。


伊丹空港へ向かう飛行機の中。
金満政治家、政治家にくっつく民間企業の強欲親父(この親父、政治家に自分の妻を献上するという強者。っぱ金子信雄っすよ)、ヴェトナム戦争未亡人のメリケンレディ、時限爆弾所持の自殺志願青年、宇宙科学の教授、国際的ヒットマン…と狭い機内の中、こんだけ変人集めるのマジで苦労しました、と言わんばかりの濃い面子が揃う。

そんな脂っこい乗客ひしめく飛行機に、宇宙人の空飛ぶ円盤が接触してくる、というとっ散らかった序盤。
(宇宙人接近に伴い、大気に異常が生じ、大量の鳥達が飛行機に体当たりして、血まみれになりながら自殺する、という意味不明な演出もGood)
そして自分はかういうむちゃくちゃなストーリーが大好きです。
飛行機はどこか荒野に墜落するのだけど、ここから生き残った乗客達と謎の宇宙生命体後家淫らの命を賭けた闘いが始まるっ!
後家の股間でウーマナイザーが単4電池の火を噴くっ!逝きるのは人間かっ!はたまた後家かっ!ファイッ!

で、結局人間のエゴとかが剥き出しになって、化物よりも人間のがヤベえじゃん、という恒例のパターンになるのだけど、ここらへんは結構中途半端だった気がしました。さういう人間のドロドロさはオチンコ…オマンコ…マタンゴ!の方がえげつなかったと思います。というか全体的にチンコマンコマタンゴ!の方が凄いと思う。
本作は人間のエゴ以外にも宇宙生命体の恐怖、そして大テーマであらう「反戦」のメッセージまであり、雑然としてしまっていたやうに思う。
脳みそ単細胞の自分的には密室と化物は飾り程度にしてもらって、人間のエゴ爆発のストーリーの方がゲヘヘゲヘヘと下品に笑えるので、好きかな。

しかし、一見の価値ある怪作であることには間違いないと思います。
吉田輝雄はかういうシリアスだかふざけてんだかよくわからない作品やらせたら天下一品ね。ハンサムの無駄遣い。
あとヒロインの佐藤友美がメチャクチャマブかったンゴねぇ。


後家三毛 イトーヨーカドーで見間違えの一句
「似ているね わけぎとわきげ 似ているね」
(季語:わけぎ→謎→宇宙生命体→恐い→困る→寒い→冬)
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